最終更新:2026年8月
2026年8月19日(水)に放送された『Re:ゼロから始める異世界生活』4th season《奪還編》第2話——通算第79話「立ちなさい」。OPもEDも中CMも流れないまま29分を走り切ったこの回は、放送直後から「神回」「大傑作回」の声で埋め尽くされました。
※この記事は第79話の内容に触れます。《喪失編》(第67〜77話)および前話・第78話の展開にも言及するため、未視聴の方はご注意ください。なお、アニメ未放送の原作先行情報は記事後半の「【原作ネタバレ】」の見出し以降にまとめて隔離しています。
いきなりOPが始まらなくて「あれ?」って思ってたら、そのまま29分ノンストップだったのよ……。見終わったあと、しばらく動けなかったわ。
情報量がとにかく多い回でしたね。「あの少女は誰?」「なぜレムがあそこにいたの?」「結局スバルの記憶喪失の原因は?」——まずはその答えから先に出しておきましょう。
【30秒で要点】第79話「立ちなさい」でわかったこと
- 記憶の回廊で待っていた少女=『暴食』の大罪司教ルイ・アルネブ(CV:小原好美)。金髪・青い瞳の少女の姿で、『暴食』の証であるギザ歯が確認できます。
- スバルの記憶喪失の原因は、このルイに記憶を喰われたこと。かつて記憶の回廊を訪れたスバルは記憶を奪われ、その“食い残し”が現在のスバルです。第79話でその犯人が明示されました。
- レム(CV:水瀬いのり)が姿と声つきで登場。折れかけたスバルに「立ちなさい」と叫びます。これがサブタイトルの由来。レムもまた『暴食』に名前と記憶を喰われている存在です。
- 原作は書籍版(MF文庫J)第24巻の序盤。Web版では第六章61話『――立ちなさい』(通算第466話)にあたり、サブタイトルは原作の話数タイトルそのままです。
- 約29分の拡大回で、OP・ED・中CMなしの一本勝負構成。第67〜78話は24分(第77話のみ25分)だったため、丸5分の増量でした。
- DMM TVでの第79話配信は2026年8月22日(土)22:30以降。公式のON AIR情報どおり、見放題サイトは土曜22:30以降の順次配信です。
『リゼロ』奪還編を最初から追いかけるならDMM TV
『Re:ゼロから始める異世界生活』のアニメシリーズは、月額550円(税込)・14日間無料のDMM TVで配信中。第79話は8月22日(土)22:30以降の配信予定。《喪失編》(第67〜77話)と奪還編第1話(第78話)はすでに配信済みなので、追いつくなら今がちょうどいいタイミングです。
ここからは第79話のあらすじ・見どころ・用語・原作対応・配信スケジュールを順に整理します。前話をおさらいしたい方は第78話「これからの話」の解説記事もあわせてどうぞ。奪還編全体の流れはリゼロ4期《奪還編》完全ガイドにまとめています。
第79話「立ちなさい」あらすじ|レイドの『死者の書』が開いた白い世界
前話までのおさらい——奪還編は「取り戻す」ための8話
4th seasonは全19話構成で、前半《喪失編》が全11話(第67〜77話・2026年4月8日〜6月17日)、後半《奪還編》が全8話(第78〜85話・2026年8月12日〜)の2クール分割です。第79話は通算79話目、4th season内では第13話、《奪還編》では第2話にあたります。数え方が三重なので「奪還編2話=通算79話」と覚えておくと混乱しません。
前話・第78話「これからの話」でスバルは、《喪失編》の間ずっと隠し続けていた記憶喪失を自分の口から打ち明け、ラムの協力を取り付けて螺旋階段へ向かいました。そしてメィリィを仲間として迎え入れる——ここまでが第79話の入口です。なお、その1話前・第77話(《喪失編》最終話)は、氷の檻から出ていたスバルの背後に、四層にいるはずのないレイド・アストレアが待ち受ける引きで終わっています。塔にいる面々の関係は奪還編の登場人物・勢力図まとめで整理しています。
公式あらすじ(放送前に発表された範囲)
公式サイトのSTORYページで発表されていたあらすじは次のとおりです。メィリィを仲間として迎え入れたスバルたちは、スバルの記憶喪失も監視塔が原因だと仮定し、『試験』のクリア優先へと方針を定めます。レイド攻略の極意書としてレイド本人の『死者の書』を探しに書庫へ向かう途中、調子を取り戻せずにいるユリウスと言葉を交わすスバル。その後、発見された『死者の書』を読むと——目の前に広がったのは、魂の終着地点、オド・ラグナの揺り籠。記憶の回廊で、少女がスバルを出迎える。
注目したいのは、この公式あらすじが本編の前半しかカバーしていないことです。「少女がスバルを出迎える」でぷつりと終わり、そこから先——回廊での対話とレムの登場という本当の山場は、まるごと伏せられていました。29分の尺の後半は、ほぼこの伏せられた部分に使われています。
本編で実際に描かれたこと
物語はまず、一行の方針転換から動き出します。スバルの記憶喪失もプレアデス監視塔が原因ではないか——そう仮定し、『試験』のクリアを最優先にする方針です。目下の壁は二層『エレクトラ』の試験官である初代『剣聖』レイド・アストレア(CV:杉田智和)。そこで一行は、攻略の極意書としてレイド本人の『死者の書』を求め、三層『タイゲタ』の書庫へ向かいます。レイドの強さは初代剣聖レイド・アストレアの強さで解説しています。
ここで大きな手柄を立てたのがメィリィでした。世界中の人間の名が並ぶ膨大な蔵書から、レイド本人の一冊を見つけ出したのは彼女です。スバルが頭を撫でて「べ、別に」と照れさせるやり取りは、実況でも真っ先に拡散しました。仲間になったばかりの彼女が、いきなり最大の実務貢献をしてみせる配置がうまい。
そしてスバルはレイドの『死者の書』を開きます。ところが起きたのは、これまでの現象とはまったく違う事態でした。本来なら「その人物と同化して一生を主観で追体験する」はずが、目の前に広がったのはただ白い世界。そこは魂の終着地点、オド・ラグナの揺り籠——記憶の回廊でした。
「レイドの一生を追体験する回」だと思って身構えてたら、いきなり真っ白な世界に放り出されるんだもの。あの瞬間の“予定が狂った感じ”が本当に怖かったのよ。
第79話の見どころ3つ|メィリィの殊勲とユリウスへの一言・塔外のスタンピード・OP/ED/CMなしの29分
見どころ①:メィリィの手柄と、ユリウスに向けた「それはそれ、これはこれ」
回廊に落ちる前の前半パートは、地味に見えて今後を左右する下ごしらえになっています。ひとつは前述したメィリィの活躍。もうひとつが、書庫へ向かう道中でのユリウスとの対話です。
ユリウスは水門都市プリステラで『暴食』の大罪司教ロイ・アルファルドに名前を喰われ、スバル以外の人々から存在を忘れられました(その後のスバルの説明もあって、あらためてアナスタシアの騎士として認められています)。公式あらすじが「調子を取り戻せずにいるユリウス」と書くとおり、塔での彼はまだ本調子ではありません。そんなユリウスにスバルが投げかけた「それはそれ、これはこれ」が、この回でもっとも引用されたセリフのひとつになりました。名前を忘れられている事実と、いま目の前でやるべきことは切り離していい。記憶を失っている当のスバルが、記憶を奪われた仲間を鼓舞するという構図です。視聴者からは「記憶をなくしてもアジテーターなところは変わらねえな」という反応が並びました。ユリウスの状況の詳細はユリウスの名前を喰った『暴食』ロイ・アルファルドとユリウス・ユークリウスの強さと美学で追えます。
また、エミリアとの掛け合いでは、記憶を失ったはずのスバルから“以前のスバルらしい返し”が飛び出し、エミリアが嬉しそうにする描写も差し込まれました。回廊での重い展開の前に穏やかな時間が置かれることで、落差が効いてきます。
見どころ②:塔の外で戦うシャウラ——魔獣の大群という同時進行の危機
スバルが白い世界で自分と向き合う裏側で、プレアデス監視塔の外では魔獣の大群(スタンピード)が押し寄せていました。迎え撃つのは塔の番人・シャウラ。「ヘルズスナイプ」と呼ばれる遠距離狙撃で応戦しますが、殲滅しきれず窮地に追い込まれます。
実況でも「あれで殲滅出来ないってどんだけいるんだよ」という驚きが並び、感想ブログでは「プレアデス監視塔、壊滅の危機」と表現されました。回廊での精神的な戦いと、塔の外での物理的な戦い。この2つが同時に走ることで、スバルが「立てない」でいる時間そのものが具体的なリスクに変換されています。シャウラの正体は監視塔の番人シャウラの正体で解説しています(※物語終盤の展開にも触れるため、読むタイミングにご注意ください)。メィリィの来歴はメィリィ・ポートルートとはにまとめています。
見どころ③:OP・ED・中CMなしの29分——異例の「一本勝負」構成
この回がなぜ「神回」と呼ばれたのか。物語の中身に加えて、構成そのものが異例だったことが大きく効いています。確認できる事実は次のとおりです。
| 項目 | 第79話 | 第67〜78話 |
|---|---|---|
| 尺(Amazon Prime Video公式のエピソードデータ) | 約29分(1,740秒) | 24分(1,419〜1,440秒)※第77話のみ25分(1,470秒) |
| OP・ED | なし | あり |
| 中CM(提供・アイキャッチ) | なし | あり |
つまり第79話は、4th seasonのOP「Recollect」(鈴木このみ feat. Ashnikko)もED「Ender Ember」(MYTH & ROID feat. TK)も一度も流れなかった回ということになります。毎週かならず耳にしてきた2曲と、提供・アイキャッチという“ひと呼吸”の全部が抜けたまま、白い世界の対話が途切れずに続く。尺が伸びたこと以上に、切れ目が一度も来ないという設計が、この回の息苦しさを作っていました。
放送中の実況では「いきなりOPがないぞ」「OPもEDもCMもない」「29分やった」といった書き込みが連鎖し、視聴者はこの構成をそのまま「神回演出」として受け止めました。Yahoo!リアルタイム検索では『OP・ED・CM全てカットで神回と歓喜の声』(約31件のポスト)が独立した話題として立項され、翌2026年8月20日には『「レム」声が復活、スバルを励ます「立ちなさい」シーンにファン歓喜』(約45件のポスト・ポジティブ率69%)も立項されました。反響の中心が明確にレムの一声にあったことがうかがえます。
制作面では、脚本を4th seasonのシリーズ構成である横谷昌宏、絵コンテを本作4th seasonの監督である篠原正寛が担当。演出は正木陽南子、総作画監督は佐川遥で、作画監督は永吉隆志・富永武志・佐川遥・鳥之海恋子・平松伸行・西川莉央・宮部唯・Seo Jeong-haの8名体制です。監督自身が絵コンテを切っている点からも、この回にかけられた力の入りようが読み取れます。
尺が5分長いだけでも特別ですが、そこにOP・ED・CMの切れ目がないとなると、体感の密度はまったく別物になります。「気づいたら終わっていた」という感想が多かったのも納得ですね。
記憶の回廊とオド・ラグナとは?|『魂の濾過装置』を3分で理解する
第79話は用語の密度が高い回でした。まず3つの重要語を表で押さえ、本文で噛み砕きます。
| 用語 | 正体 | 第79話での役割 |
|---|---|---|
| 『死者の書』 | プレアデス監視塔・三層『タイゲタ』の書庫にある蔵書。背表紙に故人の名が記されている | レイド攻略の極意書として探された。読んだスバルが記憶の回廊へ落ちる入口になった |
| オド・ラグナ | 神ではなく「ただの仕組み」。世界を壊されないための仕組みそのもの | その「揺り籠」が回廊の正体だと示される |
| 記憶の回廊 | 魂が濾(こ)される場所。魂の終着地点=オド・ラグナの揺り籠 | スバルの記憶が奪われた現場であり、レムの記憶が存在した場所 |
『死者の書』——読むと記憶が欠ける危険な本
『死者の書』は、その人物を「見知っている」者が読むと、その人物と同化して一生を主観で追体験できる蔵書です。逆に、名前を知らない人物の書を読んでも何も起きません。過去から現在に至る世界中の人間の名が並びうるため目当ての一冊を探すこと自体が困難で、だからこそメィリィの発見が大きな手柄になりました。
さらに厄介なのは、読むと読者自身の記憶が欠落する危険があるという点です。原作では「読んだ冊数と失う記憶量が比例するのでは」という仮説が仲間内で立てられ、ユリウスも一冊読んで消耗しています。だからこそ原作では、スバルが「すでに一度記憶をなくしている自分がいちばんリスクが低い」と志願して読む役を引き受けます。仕組みの詳細は『死者の書』の閲覧条件とタイゲタ書庫の仕組みで解説しています。
オド・ラグナ——「平等で公平で贔屓目なしの無関心」
原作でルイが語るオド・ラグナ像は、この作品の世界観の根っこに触れるものでした。オド・ラグナは神ではなく「ただの仕組み」であり、「世界を壊されないための仕組み」である。魔女因子も加護も『剣聖』も『魔女』も眼中になく、「平等で公平で贔屓目なしの無関心」——そう原作のルイは説明します。なお放送で確認できたのは、ルイが記憶の回廊を「魂の濾過装置」だと説明する場面までで、オド・ラグナの性質そのものは原作側の記述です。意思も悪意もなく、ただ淡々と回り続ける装置。スバルがどれだけ苦しもうと配慮も慈悲もない。この「無関心」の一語が、後半の追い詰められ方を何倍にも重くしています。
記憶の回廊——魂を洗って干して、また使う
記憶の回廊は、魂が濾過される場所です。ルイの説明はきわめて即物的で、「一度使った雑巾を洗って干してまた使うのと同じで、魂もこびりついた汚れ=記憶や経験を落として綺麗な状態で再利用される」という言い方をします。人が死ぬと魂はここに来て記憶を漉し取られ、まっさらな状態で再び世界へ送り出される。つまり魂の濾過装置です。
ここは魂だけで訪れる場所であり、複数の自我・魂を持つ『暴食』は一部の自我だけで訪れることができます。ルイが回廊に「いる」のはそのためです。なお公式あらすじの「魂の終着地点、オド・ラグナの揺り籠」は、原作Web版第六章59話で少女が発する台詞そのままの言い回し(「ここは、寂しく白い、魂の終着地点。オド・ラグナの揺り籠。——記憶の回廊」)。これが公式あらすじに引用されている時点で、制作側がどのシーンを核に据えていたかがわかります。
回廊とオド・ラグナの関係はオド・ラグナと記憶の回廊とはに、監視塔の構造(零層メローペ/一層マイア/二層エレクトラ/三層タイゲタ/四層アルキオネ/五層ケラエノ/六層アステローペ)は監視塔の構造と各層の試練にまとめています。書庫は三層タイゲタにあり、記憶の回廊はその書庫から繋がっている——この位置関係を押さえると第79話の空間構造がクリアになります。
記憶の回廊で待っていた少女は誰?|正体は『暴食』の大罪司教ルイ・アルネブ(CV:小原好美)=スバルの記憶を奪った犯人
白い世界でスバルを出迎えた少女の正体は『暴食』の大罪司教ルイ・アルネブ(CV:小原好美)です。放送中は声で気づいた層が真っ先に反応し、続いて外見のギザ歯——『暴食』の証——が指摘されていきました。
『暴食』の大罪司教は、ひとりではありません。3人分の人格を持つ存在で、『美食家』ライ・バテンカイトス、『悪食』ロイ・アルファルド、『飽食』ルイ・アルネブの3名で構成されます。ライとロイは焦げ茶色のざんばら髪の少年の姿を共有し(CV:河西健吾)、記憶の回廊のルイは金髪・青い瞳の少女の姿です。この構造は『暴食』の大罪司教は3人いるで図解しています。
『暴食』の権能は、他者の「名前」と「記憶」を喰らい、その技能や知識を自分のものにする力。名前を食われた被害者は他人から存在を忘れられ、過去の記録や出来事まで辻褄合わせされます。そして名前と記憶の両方を食われた被害者は昏睡状態に陥ります——これがレムの状態です。ルイの全体像はルイ・アルネブの正体で扱っています。
スバルの記憶喪失の原因が、ここで確定した
第79話の最大の情報開示はここです。スバルの記憶を奪った犯人はルイでした。スバルはかつて記憶の回廊を訪れた際にルイに記憶を食われており、その“食い残し”が現在の記憶喪失状態のナツキ・スバルです。《喪失編》を通して最大の謎だった「なぜ記憶を失ったのか」に、ついに答えが提示されました。
そしてスバルに突きつけられるのは、答えが出た瞬間に生まれる残酷なジレンマです。記憶を取り戻すということは、記憶を失ったあとに形作られた“今の自分”が消えることを意味する。記憶喪失のまま仲間と積み重ねてきた時間を持つ「今のスバル」は、元のスバルが戻れば居場所を失う。実況で流れた「自分を殺して自分を取り戻す」という言葉が、この構図を的確に言い当てています。
これは《喪失編》からの積み上げがあってはじめて効く一撃です。記憶がないまま仲間に受け入れられ、記憶がないまま前に進む決意をした——《喪失編》(第67〜77話)から前話・第78話までに積み上げてきた時間が、まるごと「消える側」に置かれてしまう。スバルは精神的に追い詰められ、動けなくなります。
ルイが語る『暴食』の欲求
ルイはその欲求を隠しません。放送を追った実況・感想でそろって拾われたのが、「いつか理想の人生を食って我が物にしたい」という『暴食』の動機です。さらに、これまで“死を経験した人生”は食ったことがなく、死に戻りを重ねてきたスバルの人生は刺激的だから執着している——という趣旨も同じ場面で語られました。放送中には「死に戻り知ってるのか」という反応も見られ、ルイがスバルの『死に戻り』を認識しているそぶりが確認できました。ルイ役・小原好美のセリフ量の多さもこの回の話題で、無邪気な声で魂の再利用も他人の人生の収奪も同じ温度で語る落差が、そのまま恐ろしさになっています。
「記憶を取り戻したら今の自分が消える」って、答えがわかった瞬間に絶望が来るのがつらすぎるのよ……。犯人がわかってスッキリ、では終わらせてくれないのね。
サブタイトル「立ちなさい」の意味|レムの声が届いた瞬間
動けなくなったスバルの前に姿を見せたのが、レム(CV:水瀬いのり)でした。しかも今回は姿だけでなく声つきです。折れかけたスバルに向けて、レムは叫びます——「立ちなさい」。サブタイトルは、この一声から採られています。
もうひとつ強く引用されたのが「レムの英雄なんです」。この「英雄」という呼び方には前史があります。第1期第18話「ゼロから」——王選の場で何もかもを失い、心が折れて逃げ出そうとしたスバルに、レムが「レムの英雄です」と告げ、そこから彼をもう一度立ち上がらせた場面です。あのとき彼を立たせたのと同じ言葉が、記憶を失った彼のもとへ、まったく別の状況で戻ってきた。今回の「立ちなさい」は、その二度目にあたります。
「初対面の相手に立たされる」という構図
ここで効いているのが、記憶を失っているスバルにとって、レムは初対面だという事実です。共に過ごした記憶も、彼女に救われた記憶も、いまのスバルにはありません。それでも彼は立ち上がる。積み上げた記憶ではなく、魂のレベルで鼓舞されて立ち直る——記憶を洗い落とす場所である記憶の回廊で、記憶に依存しない形で人が立つ瞬間を描く。構成として容赦がありません。
なぜレムがそこにいたのか。作品設定として押さえるべきは、レムもまた『暴食』に名前と記憶を喰われているという一点です。名前と記憶の両方を食われた者は昏睡状態に陥る——それがレムの現状であり、彼女の名前が世界から消えた経緯はレムの名前が消えた理由で解説しています。目覚めの時期を追いたい方はレムの復活はいつ?もどうぞ。
終盤、レムの記憶は水色・青系の光の玉として描かれ、ルイの手から失われます——ここは放送直後の実況・感想ブログで共通して指摘されている描写です。ルイは「失敗した失敗した失敗した」と取り乱す——この慌てぶりが、いま何かが決定的に手からこぼれ落ちたことを教えてくれます。
書籍24巻のキャッチコピー「立ち上がり、立ち上がって、すべてを救え」
ここが第79話でいちばん美しい符合です。この回が対応する原作・書籍版第24巻のキャッチコピーは「立ち上がり、立ち上がって、すべてを救え」。そしてアニメのサブタイトルは「立ちなさい」。同じ動作を、命じる側と応える側の両方から書いたような対になっています。
さらにもう一段。原作Web版で、この場面を含む話数のタイトルは第六章61『――立ちなさい』(通算第466話)。つまりアニメのサブタイトルはWeb版の話数タイトルそのままです。前話「これからの話」もWeb版「第六章56」と一致しており、4th seasonのサブタイトルはWeb版の話数タイトルから採られているという規則性が見えてきます。
| 出典 | 言葉 |
|---|---|
| アニメ第79話 サブタイトル | 「立ちなさい」 |
| 原作Web版 第六章61(通算第466話) | 『――立ちなさい』 |
| 書籍版(MF文庫J)第24巻 キャッチコピー | 「立ち上がり、立ち上がって、すべてを救え」 |
| 本編でのレムのセリフ | 「立ちなさい」「レムの英雄なんです」 |
ここから逆算すると、29分という尺の理由も見えてきます。第79話がWeb版で対応するのは第六章57話あたりから61話まで。原作で数話ぶんの道のりを、切れ目を作らずに61話の一声まで届け切るための29分だったと考えると、OP・ED・中CMを落とした判断とも筋が通ります(対応範囲の内訳は次の章で詳しく見ます)。
24巻のキャッチコピーを知ってから見返すと、サブタイトルの一言だけで泣けてきます。演技面では水瀬いのりさんへの称賛が最も多く、「レムの声を久しぶりに聞けて涙が出た」という感想が並びました。
第79話は原作の何巻?|書籍版24巻の序盤・Web版第六章61話
結論から書くと、第79話の内容は書籍版(MF文庫J)第24巻の序盤にあたります。
前提として、原作第六章の正式な章題は『記憶の回廊』です。「プレアデス監視塔編」は通称であり、章題そのものが第79話の舞台の名前になっている点も、この回の位置づけを物語っています。第六章は書籍版では第21巻〜第25巻に相当します(著・長月達平、イラスト・大塚真一郎)。
| 巻 | 発売日 | 備考 |
|---|---|---|
| 21巻 | 2019年9月25日 | 第六章『記憶の回廊』の開始 |
| 22巻 | 2020年3月25日 | — |
| 23巻 | 2020年6月25日 | — |
| 24巻 | 2020年9月25日 | 第79話が対応する巻。キャッチコピーは「立ち上がり、立ち上がって、すべてを救え」 |
| 25巻 | 2020年12月25日 | 第六章の完結巻 |
裏づけとして分かりやすいのが、KADOKAWA公式による24巻の紹介文です。「失った『記憶』を求め…『タイゲタ』の書庫に希望を託し」「『死者の書』…白い世界へ」「おぞましき欲求に身を委ねる存在」「会えるはずのない少女」——24巻の紹介文がそのまま第79話のあらすじとして読める状態です。
Web版(小説家になろう)の第六章は全90話・通算第403〜497話で、章題は『記憶の回廊』。第79話が対応するのは第六章57話〜61話(通算462〜466話)あたりと見られます。58話の題が『それはそれ、これはこれ』(=ユリウスとの会話)、59話が『白い世界に嗤う』(=『死者の書』を読んで回廊に落ちる)、そして61話が『――立ちなさい』。放送内容の順番とぴたりと重なります。
アニメの続きを原作で読むなら24巻から
「来週の水曜まで待てない」という方は、書籍版24巻から読み始めるのが最短ルートです。あらすじの詳細は原作24巻のあらすじ・ネタバレに、アニメが原作のどこまで進んでいるかはアニメは原作どこまで?続きは何巻からにまとめています。第六章の見取り図はプレアデス監視塔編(第6章)完全ガイドもどうぞ。
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※ここから先は、アニメでまだ放送されていない原作の展開に触れます。アニメだけで追いかけたい方は、この見出しを飛ばして「第79話の放送・配信スケジュール」へお進みください。
【原作ネタバレ】この先どうなる?|記憶の回廊の決着
以下は原作(Web版・書籍版)で描かれている、アニメ未放送の内容です。
- 原作ではこの先、スバルが「ナツキ・スバル」自身の『死者の書』を読むことで、記憶喪失のスバルと記憶を奪われる前のスバルが融合し、ルイ・アルネブを撃退します。その後、仲間と力を合わせて塔を襲う困難を突破していきます。
- 原作では、記憶の回廊での出来事は外に漏れにくいため『嫉妬の魔女』の「死に戻りを他人に知られてはならない」というペナルティが発動しない、とルイが明言します。スバルはこの場でルイに死に戻りの回数を告げます。
- 原作では、ルイが記憶の回廊の終盤で、ライ(お兄ちゃん)とロイ(兄様)がスバルの居場所に気付き、監視塔へ迫っていることを明かします。
- 原作では、ルイにレムの姿は見えておらず、「誰もいないのに、誰と話してるの」と怯えます。※アニメ第79話でこの点がどう処理されたかは、本記事では断定しません。
- 原作でのレムのセリフは「立ちなさい、ナツキ・スバル! 立ちなさい! ——レムの英雄!!」「立ち上がれたなら、いってください。いって、救ってきて、全てを」です。
この先の巻の内容は原作25巻のあらすじにまとめています(※アニメ未放送範囲を含みます)。
第79話の放送・配信スケジュール|DMM TVは8月22日(土)22:30から
第79話は2026年8月19日(水)に放送されました。放送・配信の枠組みを表にまとめます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 話数 | 通算第79話/4th season 第13話/《奪還編》第2話 |
| サブタイトル | 「立ちなさい」 |
| 放送日 | 2026年8月19日(水) |
| 放送局 | 最速:AT-X 毎週水曜22:00〜/TOKYO MX 毎週水曜23:00〜/BS11・KBS京都・とちぎテレビ・群馬テレビ 毎週水曜25:00〜ほか全国21局 |
| 尺 | 約29分(拡大回) |
| スタッフ | 脚本:横谷昌宏/絵コンテ:篠原正寛/演出:正木陽南子/総作画監督:佐川遥 |
| 先行・最速配信 | 地上波先行の最速配信は毎週水曜22:30〜 |
| DMM TVでの配信 | 2026年8月22日(土)22:30以降(見放題サイトは土曜22:30以降の順次配信) |
| U-NEXTでの配信 | 同じく土曜22:30以降の順次配信 |
| 次回・第80話(《奪還編》第3話) | 2026年8月26日(水)放送予定(サブタイトル・あらすじは本記事の公開時点で未解禁) |
| 《奪還編》の構成 | 全8話(第78〜85話)・毎週水曜放送 |
公式のON AIR情報では、地上波先行の最速配信が毎週水曜22:30〜、その他の見放題サイトは毎週土曜22:30〜以降の順次配信というルールになっています。DMM TVとU-NEXTはこの「土曜22:30以降」組です。第78話が8月15日(土)22:30に配信されており、第67話から第78話まで全12話が例外なく土曜22:30開始だったことから、第79話は2026年8月22日(土)22:30以降の配信となります。「放送は水曜、見放題配信は土曜」と覚えておけば迷いません。次回・第80話(《奪還編》第3話)は2026年8月26日(水)の放送予定です。サブタイトルとあらすじは本記事の公開時点でまだ解禁されていないため、公開され次第あらためて追記します。
なお第79話の放送では、特別編成にともなう放送時間の変更も告知されていました(長野放送は8月19日(水)25:25〜25:55の10分押し、長崎放送は同25:32〜26:02)。あらすじ・先行カット10枚・WEB予告の解禁は放送前日の8月18日でした。各サービスの配信状況を比較したい方はリゼロ4期はどこで見れる?配信比較を、奪還編の各話情報は《奪還編》完全ガイドをご覧ください。
『リゼロ』のアニメシリーズを追いかけるなら、月額550円(税込)・14日間無料のDMM TVがおすすめ。第79話の配信開始(8月22日(土)22:30以降)までの数日で、《喪失編》第67〜77話と奪還編第1話(第78話)を一気におさらいしておくのが賢い使い方です。
同日公開のミニアニメ・10周年展示会情報
同日にはミニアニメ『Re:ゼロから始める休憩時間(ブレイクタイム)』第79話「金獅子と剣聖」も公開。王都へ向かう竜車内でフェルトが護送中のシリウスと対峙する内容です。あわせてアニメ10周年記念の初展示会「TVアニメ『Re:ゼロから始める異世界生活』展」の展示詳細と入場特典第1弾デザインも解禁されました(2026年9月12日〜10月4日/渋谷BEAMギャラリー/前売一般2,200円・当日2,500円)。
第79話「立ちなさい」FAQ
Q. 第79話は何分?なぜOPもEDもなかったの?
A. 約29分の拡大回です。Amazon Prime Video公式のエピソードデータでruntime 29分(1,740秒)。第67〜78話は24分(第77話のみ25分)なので丸5分の増量です。さらにOP・ED・中CM(提供/アイキャッチ)を一切挟まない一本勝負の構成で、視聴者はこれを「神回演出」として受け止めました。
Q. 記憶の回廊に出てきた少女は誰?
A. 『暴食』の大罪司教のひとりルイ・アルネブ(CV:小原好美)です。金髪・青い瞳の少女の姿で、『暴食』の証であるギザ歯が描かれています。『暴食』は3人分の人格を持ち、ほかに『美食家』ライ・バテンカイトスと『悪食』ロイ・アルファルド(ともにCV:河西健吾)がいます。
Q. レムはなぜ記憶の回廊にいたの?
A. レムもまた『暴食』の権能で名前と記憶を喰われている存在です。名前と記憶の両方を食われた被害者は昏睡状態に陥る——これがレムの現状。第79話の終盤では、レムの記憶が水色・青系の光の玉として描かれ、ルイの手から失われる描写がありました(放送直後の実況・感想ブログで共通して指摘された描写です)。
Q. スバルの記憶喪失の原因は結局なんだったの?
A. 『暴食』の大罪司教ルイに記憶を喰われたことです。ここで新たに引っかかるのが「いつ喰われたのか」。記憶の回廊は魂だけで訪れる場所であり、スバルは本人に自覚のないまま過去に一度ここへ来ていたことになります。つまり第79話は、原因を明かすと同時に「記憶を失ったあの瞬間、スバルの魂に何が起きていたのか」という新しい問いを開いた回でもあります。なお、複数の自我・魂を持つ『暴食』が一部の自我だけで回廊に居られるのも、この「魂だけの場所」という性質によるものです。
Q. 第79話で『死に戻り』は起きた?
A. いいえ、第79話で『死に戻り』は発動していません。スバルは記憶の回廊から外への出口を通って脱出する流れになっています。『死に戻り』のルールと制約は『死に戻り』のルールと制約で解説しています。スバルの能力全般はスバルの能力・権能一覧をどうぞ。
Q. レイド攻略は進んだ?
A. 進んでいません。一行がレイドの『死者の書』を探したのは、二層『エレクトラ』の試験官である彼を攻略する極意書を得るためでしたが、本を読んだスバルが記憶の回廊へ落ちたため、レイド攻略は達成されず持ち越しになっています。
Q. 第79話は原作の何巻?続きはどこから読める?
A. 書籍版(MF文庫J)第24巻の序盤にあたります。Web版では第六章61話『――立ちなさい』(通算第466話)で、第79話が対応する範囲は第六章57〜61話(通算462〜466話)あたりです。アニメの続きを読むなら24巻から読み始めるのがおすすめです。
Q. 第79話はDMM TVでいつから見られる?
A. 2026年8月22日(土)22:30以降です。公式ON AIR情報で「地上波先行の最速配信は毎週水曜22:30〜、その他の見放題サイトは毎週土曜22:30〜以降 順次配信」と定められ、DMM TVとU-NEXTはこの土曜組。第67〜78話の全12話が例外なく土曜22:30開始でした。
まとめ|「立ちなさい」は、レムからスバルへの2度目の号令
第79話「立ちなさい」(通算第79話/4th season第13話/《奪還編》第2話)を、もう一度整理します。
- メィリィがレイドの『死者の書』を発見。道中でスバルはユリウスに「それはそれ、これはこれ」と言葉をかける
- 『死者の書』を読んだスバルが落ちた先は記憶の回廊。待っていたのは『暴食』の大罪司教ルイ・アルネブで、スバルの記憶を奪った犯人だと示される
- 「記憶を取り戻す=今の自分が消える」というジレンマで動けなくなったスバルに、レムが「立ちなさい」「レムの英雄なんです」と叫ぶ
- 塔の外ではスタンピードにシャウラが応戦するも窮地。レイド攻略は持ち越し。この回で『死に戻り』は発動していない
- 原作は書籍版24巻の序盤。キャッチコピー「立ち上がり、立ち上がって、すべてを救え」とサブタイトルが直結/DMM TV配信は8月22日(土)22:30以降
《喪失編》11話をかけて積み上げられた「なぜ記憶を失ったのか」に答えが出て、同じ瞬間に「取り戻せば今の自分が消える」という新しい壁が立ち上がる。答えが救いにならない構造を、OP・ED・CMという逃げ場をすべて取り払った29分で殴り込んでくる——第79話が「神回」と呼ばれたのは、演出と物語が同じ方向を向いていたからでした。そして、その壁の前でスバルを立たせたのが、彼にとって初対面のはずのレムだったこと。かつて最も折れた場面で彼を立たせた声が、記憶を失った彼にもう一度届く。「立ちなさい」は、レムからスバルへの2度目の号令です。
《奪還編》は全8話。第79話でようやく敵の顔が見えました。塔の外の危機も未解決のままなので、ここからの残り話数は一話も落とせません。見逃した方は土曜の配信でぜひ追いついてください。
『Re:ゼロから始める異世界生活』のアニメシリーズは、月額550円(税込)・14日間無料のDMM TVで配信中。第79話は8月22日(土)22:30以降に配信予定です。
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