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【薬屋のひとりごと】緑青館 完全解説|猫猫の故郷の妓楼・三大美姫を徹底紹介【2026年最新】

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『薬屋のひとりごと』に登場する緑青館(ろくしょうかん)とは、主人公・猫猫(マオマオ)が生まれ育った花街の高級妓楼です。後宮ミステリーという華やかな舞台の「もう一つの故郷」として描かれ、猫猫の人格・薬の知識・人間関係のすべての原点になっている場所でもあります。やり手婆が仕切り、三姫(白鈴・梅梅・女華)という看板妓女が君臨し、養父・羅門が薬屋を間借りし、武官の李白が通う——緑青館は、後宮と並ぶ作品のもう一つの「世界の中心」なのです。

この記事では、アニメや原作を見て「緑青館ってどういう場所?」「三姫って結局誰なの?」「なぜ猫猫はあそこで育ったの?」と気になった方に向けて、妓楼の仕組み・三大美姫・やり手婆・猫猫と羅門の暮らし・李白ら客との関わりを、原作とアニメの情報に沿って丁寧に整理していきます。

⚠️ ネタバレ注意:この記事は『薬屋のひとりごと』原作(小説・漫画)およびアニメの内容に踏み込みます。未読・未視聴の方はご注意ください。

リョウコ

リョウコ

『薬屋のひとりごと』を見てると「緑青館」って場所がよく出てくるよね。猫猫の故郷ってことは分かるんだけど……あれって結局どういうお店なの?

かえで

かえで

ひとことで言うと、花街にある「高級妓楼」だよ。芸事に秀でた妓女を抱える格式の高いお店で、猫猫が生まれ育った場所なの。後宮と並ぶ、この物語のもう一つの舞台なんだよ。

リョウコ

リョウコ

もう一つの舞台!? 後宮の話だと思ってたから意外かも。でも猫猫って、あんなにしっかり者なのに花街育ちなんだね。

かえで

かえで

むしろ、緑青館で育ったからこそ今の猫猫があるの。薬の知識も、毒への執着も、人を冷静に観察する目も、ぜんぶあの場所が原点なんだよ。今日はその緑青館を、まるごと解説していくね。

この記事でわかること

  • 緑青館とは何か(読み方・場所・妓楼としての格式)
  • 妓楼の仕組み(一見さんお断り・禿・身請け・年季などの基礎用語)
  • 三大美姫「三姫」白鈴・梅梅・女華それぞれの人物像
  • やり手婆の正体と、緑青館を仕切る経営者としての顔
  • 猫猫と養父・羅門が緑青館で暮らした意味
  • 李白ら客との関わりと、身請けをめぐるドラマ
  • 緑青館が『薬屋のひとりごと』という物語に果たす役割

緑青館とは?|花街にそびえる高級妓楼

緑青館は「ろくしょうかん」と読み、物語の舞台となる架空の大国の都にある花街(かがい・くるわ)の高級妓楼です。妓楼とは、お金を払った客に対して、妓女(ぎじょ)と呼ばれる女性が芸や酒席のもてなし、さらには色を売る——いわば遊郭のお店のことを指します。

『薬屋のひとりごと』の世界は中華風の架空国家を舞台にしており、史実の特定の時代をそのまま描いたものではありません。とはいえ妓楼や花街の描写は、かつての遊郭文化を下敷きにした世界観で組み立てられています。緑青館はその花街の中でも格式の高い高級店として描かれているのが大きな特徴です。

緑青館の格の高さを象徴するのが、「色を売る」だけでなく「芸を売る」店だという点です。歌舞音曲(歌や舞、楽器の演奏)、詩歌、囲碁や将棋といった盤遊戯——こうした教養や芸事に秀でた妓女を多く抱えており、単に身体を求めるだけの客には不向きな、洗練された社交場として機能しています。複数のファン解説でも「ひと晩で1年分の給金が吹き飛ぶ」と言われるほどの高級店として紹介されています。

花街の光と影

一方で、緑青館を含む花街一帯には、華やかさの裏に暗い面もあります。妓楼が密集するこの地域の周辺は治安が悪く、人さらいが横行する地区として描かれています。さらわれた娘は、器量が良ければ妓楼へ売られ、そうでなければ別の場所へ売り飛ばされる——そんな過酷な現実が背景に横たわっています。

また、妓女たちの中には、化粧に使われる「おしろい」の鉛による中毒で体を壊したり、性病(梅毒など)にかかって命を縮めたりする者も少なくありません。緑青館はこうした健康被害を物語に持ち込む舞台にもなっており、後述する養父・羅門による「鉛入りのおしろい禁止」のエピソードなどにつながっていきます。花街は決して夢の世界一色ではなく、光と影が同居する場所として描かれているのです。

リョウコ

リョウコ

華やかなお店なのに、すぐそばに危険な現実が広がってるんだね……。猫猫もこの花街で人さらいに遭ったんだっけ?

かえで

かえで

そうなの。猫猫は薬草を採りに出たところを人さらいにつかまって、後宮へ下女として売られてしまうの。物語の始まりも、実はこの花街の危うさが起点になっているんだよ。

妓楼の仕組み|知っておくと物語が深く読める基礎用語

緑青館を理解するうえで欠かせないのが、妓楼ならではの仕組みです。作中ではさらりと描かれる用語も多いので、ここで整理しておきましょう。これを押さえると、三姫や李白のエピソードがぐっと深く味わえます。

用語 意味
妓女(ぎじょ) 妓楼で客をもてなす女性。多くは借金の形に売られ、その返済のために働く
禿(かむろ) 将来妓女になるために、妓女のそばで芸や教養を学ぶ幼い少女
やり手婆 妓楼を取り仕切る経営者。料金や身請け金の交渉、客の選別などを担う
身請け(みうけ) 客が妓女の借金相当額を支払い、年季前に勤めを辞めさせて引き取ること
年季(ねんき) 妓女が借金を返し終えるまで働く約束の期間
三姫(さんひめ) 緑青館を代表する最上級の妓女3人。看板娘的な存在

「一見さんお断り」の格式

緑青館は基本的に「一見さんお断り」のシステムを採っています。金銭的な余裕のない初めての客は、原則として入店を断られます。これは緑青館が高級店であることの証であると同時に、やり手婆が客の質を見極めて店の格を守っているからでもあります。

禿から妓女へ

妓女は、いきなり店に立てるわけではありません。多くは禿(かむろ)として、先輩妓女のそばで身の回りの世話をしながら、舞や楽器、読み書き、立ち居振る舞いといった芸事や教養を仕込まれます。後で紹介する梅梅は、かつて猫猫の実母・鳳仙のもとで禿時代を過ごしていた——という設定があり、この「禿」という仕組みを知っておくと、妓女たちの世代を超えたつながりが見えてきます。

身請けという「卒業」

妓女にとって最大の転機が身請けです。これは、客が妓女の借金に相当する代金を支払い、年季が明ける前に勤めを辞めさせ、その身柄を引き取ることを指します。身請けされた妓女の多くは、引き取った客の妻や妾(めかけ)として新たな人生を歩みます。

身請けに必要な金額は妓女によって異なります。多くの場合、やり手婆が「その妓女が将来稼ぐはずだった金額」をもとに、お祝い金のような意味合いを上乗せして算出するとされます。看板妓女である三姫ともなれば、その金額は莫大なものになります。後述する李白と白鈴のエピソードは、まさにこの「身請け金の壁」をめぐる物語です。

リョウコ

リョウコ

身請けって、ただ「好きだから連れて帰る」じゃなくて、すごい金額を払わなきゃいけないんだね。看板妓女なら、なおさら大変そう……。

かえで

かえで

そうなの。だからこそ身請けには物語が生まれるんだよ。さあ、いよいよその看板妓女——緑青館の「三姫」を一人ずつ紹介していくね。

緑青館の三大美姫「三姫」とは|白鈴・梅梅・女華

緑青館を語るうえで欠かせないのが、三姫(さんひめ)と呼ばれる3人の最上級妓女です。彼女たちは緑青館の売上を支える看板娘であり、高級官僚でもなかなか手の届かない「高嶺の花」。複数のファン解説では、客や市井の人々からアイドルのように憧れられる存在として紹介されています。

そして三姫は、猫猫にとって赤ん坊の頃から面倒を見てくれた「母親代わり」でもあります。実母の鳳仙が病に倒れていたこともあり、猫猫はこの3人の姉貴分たちに育てられたようなものなのです。まずは一覧で整理してみましょう。

名前 特徴 得意なこと 猫猫との関係
白鈴(パイリン) 三姫の最年長。妖艶な男好き 舞踊 乳で育てた、まさに母親代わり
梅梅(メイメイ) しっかり者で面倒見が良い 碁・象棋など盤遊戯 姉のように世話を焼く存在
女華(ジョカ) 三姫の最年少。大の男嫌い 四書五経・学問 知識を授ける姉貴分

白鈴(パイリン)|舞いの名手にして奔放な姉

白鈴は三姫の中でも最年長で、猫猫が生まれたときから緑青館にいた妓女です。整った顔立ちと豊かな肉体を持つ妖艶な美女で、舞踊を得意としています。性格は明るく奔放で、無類の男好き。猫猫からは半ば呆れ気味に「色欲魔」と評されるほどで、客を取らずにいると店の男衆や他の妓女にまで手を出そうとする、というユーモラスな描写もあります。

そんな奔放さの一方で、白鈴は猫猫にとって特別な存在です。母性が強く、特殊な体質で母乳が出たことから、赤ん坊の猫猫を自らの乳で育てたとされており、まさに「母親代わり」と言える間柄です。後述する武官・李白に見初められているのもこの白鈴で、彼女をめぐる身請けのドラマは緑青館エピソードの大きな見どころになっています。

白鈴の人物像をもっと深く知りたい方は、関連記事もぜひどうぞ。彼女が物語にどう関わるかは梅梅の解説記事とあわせて読むと、三姫の関係性がより立体的に見えてきます。

梅梅(メイメイ)|母性あふれる「しっかり者」の姉

梅梅は三姫の中でも特に母性的で面倒見の良い人物として描かれます。しっかり者で機転が利き、猫猫が再び宮廷勤めに向かう際には化粧品を持たせるなど、何かと世話を焼く姉のような存在です。盤遊戯(碁や象棋)を得意とし、知性的な魅力を持つ妓女でもあります。

梅梅には、緑青館の歴史を物語る重要な背景があります。彼女はかつて、猫猫の実母・鳳仙のもとで禿時代を過ごしていたとされ、その時期に羅漢(後述する天才軍師・猫猫の実父)から碁を教わったというエピソードがあります。鳳仙・羅漢・梅梅という人間関係は、後の身請けのドラマで大きな意味を持つことになります。

実際、原作では羅漢が身請けする妓女を決める場面で、梅梅が鳳仙の存在をそれとなく羅漢に伝えたことが、物語を動かす鍵になります。病床の鳳仙を見舞う数少ない妓女の一人でもある梅梅の、義理堅く情の深い人柄がよく表れた場面です。梅梅というキャラクターの全体像は梅梅 完全解説で詳しくまとめています。

女華(ジョカ)|「話せば科挙に受かる」才女

女華は三姫の中で最年少ながら、群を抜いた知性の持ち主です。四書五経(中華の古典の代表的な書物群)に通じた才女で、ファンの間では「女華の話についていけたら科挙に受かる」とまで言われるほどの教養を備えています。常連客の中には、科挙(官僚登用試験)を受ける若者の指南役にあたる人物もいると描かれます。

性格は白鈴とは対照的に、大の男嫌い。踊りや盤遊戯、客への愛想といったものよりも、もっぱら知識と学問で客を惹きつけるタイプの妓女です。その背景には、母親にまつわる過去がうかがえる描写もあり、彼女の男嫌いには相応の理由が示唆されています。男嫌いゆえに、現時点では身請けの話は出ていないとされます。

白鈴の奔放さ、梅梅の母性、女華の知性——タイプの異なる3人が、それぞれの形で猫猫を見守り育てた。この三者三様の「姉たち」の存在が、猫猫の人格の幅広さを支えているのです。物語全体の登場人物の相関を整理したい方は登場人物・謎解き 完全ガイドもあわせてご覧ください。

リョウコ

リョウコ

三姫って、それぞれキャラが立ってて面白いね! 奔放な白鈴、しっかり者の梅梅、クールな才女の女華……。猫猫がいろんな顔を持ってるのも納得かも。

かえで

かえで

そうなんだよ。そしてこの三姫を束ねて緑青館を切り盛りしているのが、忘れちゃいけない「やり手婆」。次はこの人物に注目してみよう。

やり手婆の正体|煙管をくわえた経営者の素顔

緑青館を実質的に取り仕切っているのがやり手婆です。いつも煙管(きせる)をくわえ、金にがめつく横暴な性格として描かれる、緑青館の経営者。料金や身請け金の交渉、客の選別、妓女の管理まで、店の経営をすべて握る人物です。猫猫とは長い付き合いで、口は悪いものの、どこか家族のような距離感があります。

かつては「真珠の涙」と讃えられた絶世の美女

強烈な経営者として描かれるやり手婆ですが、複数のファン解説によれば、若い頃は緑青館の最上級妓女であり、絶世の美女だったとされています。その美しさは「真珠の涙を持つ」と讃えられたほど。かつて異国の特使の前で舞を披露し、その姿が「月の精」のようだったと語り継がれるエピソードも紹介されています。

つまり、現在は店を仕切る厳しい経営者であるやり手婆もまた、かつては緑青館の看板を背負った妓女だったわけです。三姫を厳しくも大切に育て、店の格を守り抜く彼女の姿勢には、自らが歩んだ道への自負と覚悟がにじんでいます。

がめついだけではない、情に厚い一面

やり手婆は金に厳しく抜け目のない経営者ですが、決して冷酷なだけの人物ではありません。情に厚い一面も持ち合わせており、それが端的に表れているのが猫猫と養父・羅門の扱いです。やり手婆は、猫猫が薬師・羅門のもとで育つことを許し、緑青館の中で薬屋を営むことも認めています。商売人としての計算もあったでしょうが、行き場のなかった親子に居場所を与えた、その懐の深さは確かなものです。

また、猫猫の実母・鳳仙をめぐる経緯でも、やり手婆は店の主としての立場と個人としての思いの間で揺れる姿を見せます。横暴に見えて、実は花街に生きる女たちの過酷さを誰よりも知る人物——それがやり手婆という存在なのです。

猫猫と羅門が暮らした場所|薬師の原点としての緑青館

緑青館が『薬屋のひとりごと』にとって特別なのは、ここが主人公・猫猫の生まれ育った場所であり、彼女を薬師に育てた養父・羅門(ルォメン)との暮らしの場でもあるからです。

緑青館に間借りした「薬屋」

羅門は、緑青館の中に薬屋を間借りして営んでいました。妓女たちに病人が出れば薬を処方し、けが人や体調を崩した者の手当てをする——緑青館専属の医療担当のような役回りです。猫猫はこの羅門のそばで育ち、薬と毒の知識を惜しみなく授けられたことで、後の宮廷で発揮される薬師としての才能の土台を築きました。

猫猫の「毒への並外れた執着」や「冷静な観察眼」は、この緑青館での暮らしと羅門の教育から生まれたものです。花街という、人の生死や体の不調が身近にある環境で育ったからこそ、猫猫は感情に流されずに事実を見つめる視点を身につけた——緑青館は、猫猫という人間の人格そのものを形づくった場所だと言えます。養父・羅門の人物像については羅門 完全解説で詳しく扱っています。

実母・鳳仙との切ない関係

緑青館は、猫猫の実母・鳳仙(フォンシェン)がいた場所でもあります。鳳仙はかつて緑青館で人気を博した妓女でしたが、猫猫を産んだことなどをきっかけに評判を落とし、やがて梅毒を患って緑青館の離れに隔離される身となりました。猫猫や梅梅は、その病床の鳳仙を世話する数少ない人々でした。

そして鳳仙の相手こそ、後に猫猫の前に現れる天才軍師・羅漢(らかん)です。鳳仙と羅漢、そして猫猫——この実の親子をめぐる物語は、緑青館を舞台にした作品屈指の感動エピソードへとつながっていきます。羅漢が鳳仙を身請けする顛末は、緑青館という場所の意味を最も重く描いた場面と言えるでしょう。実父・羅漢の人物像は羅漢 完全解説、母・鳳仙については鳳仙 完全解説でそれぞれ深掘りしています。

リョウコ

リョウコ

緑青館って、猫猫の薬師としての原点でもあるし、本当のお母さんがいた場所でもあるんだ……。ただの「お店」じゃないんだね。

かえで

かえで

そう。猫猫の知識も、人格も、家族の物語も、ぜんぶ緑青館に根ざしているの。後宮の物語が表の顔なら、緑青館は猫猫の「心の故郷」なんだよ。

李白ら客との関わり|身請けをめぐるドラマ

緑青館は、客との関わりを通じて物語に動きをもたらす舞台でもあります。その中心にいるのが、武官の李白(リハク)です。

李白と白鈴|「身請け作戦」の行方

李白は、宮廷に仕える若く実直な武官です。彼は緑青館の三姫の一人・白鈴に一途に惚れ込んでおり、いつか自分の手で彼女を身請けしたいと願っています。アニメ1期でも「身請け作戦」として描かれたこのエピソードは、緑青館の身請けの仕組みがいかに重いかを浮き彫りにします。

というのも、白鈴は緑青館でも指折りの稼ぎ頭。彼女を身請けするには、複数のファン解説によれば銀1万以上という途方もない金額が必要とされます。これは白鈴が将来稼ぐはずだった分まで含めた額で、李白の収入では、何も使わずに貯めても10年以上かかる計算になるとされます。身請けという「恋の成就」が、いかに高い壁を伴うものか——李白の奮闘は、その現実をユーモアと熱さをもって描き出します。

李白は緑青館エピソードの名脇役であり、猫猫にとっても貴重な「外の世界」とのつながりです。猫猫が緑青館へ里帰りする際の同行者になるなど、後宮と花街を結ぶ役割も担っています。李白の人物像は李白 完全解説で詳しくまとめています。

羅漢の身請けと、緑青館の最も重い夜

客との関わりという点で、緑青館が描いた最も重く感動的な場面が、羅漢による鳳仙の身請けです。複数のファン解説によれば、羅漢はかつて鳳仙を身請けしようとしながらも事情ですれ違い、長く鳳仙は亡くなったものと思い込んでいました。しかし身請けする妓女を選ぶ段になって、梅梅の手引きにより鳳仙が生きていることを知り、迷うことなく彼女を選んだとされます。

すでに梅毒で衰弱していた鳳仙を、羅漢は身請けします。商売としては「割に合わない」身請けを、それでも選び取った羅漢の不器用な愛情——この場面は、緑青館という場所が単なる花街ではなく、人間の業と情が交差する舞台であることを象徴しています。やり手婆や梅梅といった緑青館の人々が、この身請けにそれぞれの形で関わっている点も見逃せません。物語全体のネタバレを整理したい方はネタバレまとめもあわせてどうぞ。

緑青館が物語に果たす役割|後宮と対になる「もう一つの世界」

ここまで見てきたように、緑青館は『薬屋のひとりごと』において、後宮と並ぶもう一つの重要な舞台です。最後に、緑青館が物語全体に果たす役割を整理してみましょう。

緑青館が物語に果たす3つの役割
猫猫の人格・知識の原点……薬師としての才能も、毒への執着も、冷静な観察眼も、緑青館での暮らしと羅門の教育から生まれた
家族のドラマの舞台……実母・鳳仙、実父・羅漢、母親代わりの三姫、育ての親・羅門。猫猫の「家族」をめぐる物語の中心地
後宮と対をなす世界……華やかさの裏に女たちの過酷な現実がある点で、後宮と緑青館は鏡写しの関係にある

後宮が「皇帝に仕える女たちの世界」なら、緑青館は「客に仕える女たちの世界」。どちらも女性たちが知恵と美しさで生き抜く場所であり、その光と影が対になって描かれています。猫猫が後宮で発揮する観察眼や人間理解の深さは、緑青館で見てきた女たちの生き様があってこそ。緑青館を知ることは、猫猫という主人公を理解することそのものなのです。

後宮の側の世界観については後宮ガイドで詳しく解説しています。あわせて読むと、緑青館と後宮という二つの世界の対比がより鮮やかに見えてきますよ。

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緑青館に関するよくある質問(FAQ)

Q. 緑青館とはどういう場所ですか?

『薬屋のひとりごと』の舞台となる架空の大国の都にある、花街の高級妓楼です。「ろくしょうかん」と読みます。歌舞音曲や詩歌、囲碁・将棋などの芸事に秀でた妓女を多く抱える格式の高い店で、主人公・猫猫が生まれ育った場所でもあります。一見さんお断りの高級店として描かれています。

Q. 三姫(白鈴・梅梅・女華)とは誰ですか?

緑青館を代表する3人の最上級妓女です。最年長で舞踊が得意な男好きの白鈴、母性的で盤遊戯に強いしっかり者の梅梅、最年少で四書五経に通じた男嫌いの才女・女華の3人を指します。いずれも高級官僚でも手が届かない高嶺の存在であり、猫猫にとっては赤ん坊の頃から面倒を見てくれた「母親代わり」の姉貴分でもあります。

Q. やり手婆はどんな人物ですか?

緑青館を取り仕切る経営者です。煙管をくわえ、金にがめつく横暴な性格で描かれますが、情に厚い一面もあります。複数のファン解説によれば、若い頃は緑青館の最上級妓女で「真珠の涙を持つ」と讃えられた絶世の美女だったとされます。猫猫と羅門が緑青館で薬屋を営むことを許した人物でもあります。

Q. なぜ猫猫は緑青館で育ったのですか?

猫猫は緑青館で生まれ、薬師である養父・羅門に引き取られて育ちました。羅門は緑青館の中に薬屋を間借りして妓女たちの治療にあたっており、猫猫はそのそばで薬と毒の知識を学びました。実母は緑青館の元妓女・鳳仙で、病に倒れていたため、猫猫は三姫たちにも母親のように育てられました。

Q. 李白と白鈴はどうなりますか?

武官の李白は、三姫の一人・白鈴に一途に惚れ込んでおり、いつか自分の手で身請けしたいと願っています。ただし白鈴は緑青館の稼ぎ頭であり、身請けには複数のファン解説で銀1万以上という途方もない金額が必要とされ、容易な道ではありません。李白の奮闘は緑青館エピソードの大きな見どころです。詳しい結末は本編でご確認ください。

Q. 緑青館は実在の遊郭がモデルですか?

『薬屋のひとりごと』は中華風の架空国家を舞台にしており、緑青館も架空の妓楼です。史実の特定の遊郭をそのまま描いたものではありませんが、妓楼・花街・身請け・禿といった描写は、かつての遊郭文化を下敷きにした世界観で組み立てられています。史実と混同せず、あくまで作品世界の設定として楽しむのがおすすめです。

まとめ|緑青館を知れば猫猫がもっと好きになる

最後に、この記事のポイントを振り返ります。

  • 緑青館(ろくしょうかん)は花街にそびえる高級妓楼で、芸事に秀でた妓女を抱える格式高い店
  • 妓楼は一見さんお断り・禿・身請け・年季といった独自の仕組みで成り立つ
  • 看板妓女の三姫は、奔放な白鈴・母性的な梅梅・知性の女華の3人。猫猫の「母親代わり」
  • やり手婆は煙管をくわえた経営者で、かつては「真珠の涙」と讃えられた絶世の妓女
  • 緑青館は猫猫の薬師としての原点であり、実母・鳳仙や養父・羅門との家族の物語の舞台
  • 李白と白鈴の身請け、羅漢と鳳仙の身請けなど、客との関わりが物語に深みを与える
  • 緑青館は後宮と対をなす「もう一つの世界」として作品を支えている
なぎさ

なぎさ

後宮の謎解きに目が行きがちだけど、緑青館を知ると『薬屋のひとりごと』はもっと深く味わえるよ。猫猫の冷静さも、優しさも、毒への執着も、ぜんぶあの花街の妓楼で育まれたもの。三姫やり手婆、羅門、鳳仙——緑青館の人々を思い浮かべながら本編を見返すと、猫猫の何気ない一言にまで温度が宿って見えてくるはずだよ。

緑青館は、華やかさと過酷さ、知恵と情が同居する場所。そこで育った猫猫だからこそ、後宮でも揺るがず真実を見つめられるのです。三姫やり手婆の物語を頭に入れて本編を見返せば、緑青館の場面の一つひとつが、きっと違って見えてきますよ。

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