第83話、ユリウスが「改めて名乗ろう」って言った瞬間に鳥肌が立った……。しかもラスト、エミリアの前にとんでもなく大きな龍が出てきたよね!?
そう、第83話は「名乗り」の回。二つの記憶が統合されたスバルがエミリアの前で名乗り、ユリウスがレイドの前で名乗り直す——奪われた名前を、自分の口でもう一度名乗っていく30分だったの。この記事では第83話「グッドルーザー」のあらすじと見どころ、ユリウスの再契約とレイド戦の決着、サブタイトルの意味、原作対応まで整理するよ。※放送済みの第83話の内容に触れます。ネタバレ注意!
この記事でわかること
- 第83話「グッドルーザー」のあらすじ(放送内容ベース)と感想
- 二つの記憶が統合されたスバルの再会と、公式あらすじの言う「五つの危機」への布陣
- ユリウスがレイドの前で名乗り直した意味と、六体の準精霊との「再契約」
- アナスタシアがずっと表に出てこなかった理由と、襟ドナ(人工精霊エキドナ)との関係
- サブタイトル「グッドルーザー」の由来と、原作では何巻にあたるか
- 第83話の配信情報(DMM TVの見放題は9月19日(土)22:30〜配信済み)と次回・第84話「ラム」の予定
『リゼロ』シリーズは、月額550円(税込)・14日間無料のDMM TVで1期から4期《喪失編》まで見放題。《奪還編》最新話は毎週土曜22:30以降に順次配信されます。
第83話「グッドルーザー」あらすじ|奪われた名前を、自分の口で名乗り直す
前話・第82話で自身の『死者の書』を読み、記憶を失う前と失った後——二つの記憶が統合されたスバル。第83話はその直後から始まります。書庫を飛び出したスバルは、ライ・バテンカイトスと一対一で戦っていたエミリアのもとへ駆けつけ、開口一番こう名乗りました。「俺の名前はナツキ・スバル! エミリアたんのいちの騎士!!」——記憶を失っていた間は決して口にできなかった「エミリアたん」呼びの復活に、エミリアは嬉しそうにスバルへ抱きつきます。
ただ、エミリアの反応は喜びだけではありませんでした。彼女は「記憶がない時のスバルもスバルだった」という趣旨の言葉で、統合によって“記憶を失った後のスバル”が消えてしまったのではないか、統合の影響が残っていないかと、スバルの身を気遣います。エミリアは《喪失編》から、記憶を失ったスバルと向き合い続けてきた一人です。その彼女が真っ先に案じたのが「もう一人のスバル」だったことに、放送中の実況でも「この発言大好き」「記憶のない時もスバルはスバルだったと言えるエミリアたんすげーな」という声が上がっていました。
しかし状況は楽観できません。ライは取り逃がしており、しかもこの周回では、エミリアが『暴食』に喰われ、ラムやベアトリスから忘れられている状態です。エミリアを覚えているのはスバルだけ。ベアトリスが「知らない人」を前に困惑する様子は、『暴食』の権能がこの周回でも仲間の絆を蝕んでいることを静かに示していました。
スバルは、仲間を光として感知できる新たな権能を使ってベアトリス・ラム・パトラッシュと合流し、記憶が戻ったことと現状を全員に説明します。そして一行はベランダへ。魔獣に対処していたシャウラ・メィリィ・アナスタシア(襟ドナ)とも合流しますが、ここで新たな異変が起きます。誰かが塔のルールを破ったことでシャウラが限界を迎え、大サソリへと変化しようとしていたのです。スバルはシャウラに「自分はお師様ではない、死ねなんて言ってやらない」という趣旨の言葉を告げます。直後、シャウラは大サソリへと変化——エミリアがそのシャウラを蹴飛ばして塔の外へ押し出し、目の前の危機をひとまず回避しました。
ここでスバルは、公式あらすじの言う「五つの危機」に対して仲間を振り分けます。襟ドナはユリウスのもとへ。ベアトリスとメィリィはスバルと共に、大サソリと化したシャウラと魔獣のスタンピードを阻止する。エミリアは上階へ駆け上がり、ラムは螺旋階段で『暴食』を待ち受ける——総力戦の開始です。
螺旋階段では、ラムがライ・バテンカイトスを待ち受け、戦闘が始まります。「ブタのように鳴きながら死になさい」——冷たい眼差しでライを見据えるラム。ただし第83話では、ラム対ライは「開始」まで。決着は次回・第84話「ラム」に持ち越されます。
一方、二層でレイド・アストレアと戦っているユリウスのもとへ、エミリアと襟ドナが到着。エミリアはすでに二層の『試験』を突破しているため通過でき、そのまま一層へ駆け上がります。襟ドナはその場に残り、ユリウスの戦いを見届けることを希望しました。そして、スバルからの伝言を受け取ったユリウスは、レイドを前に改めて名乗ります。
「改めて名乗ろう。私はユリウス・ユークリウス。アナスタシア・ホーシンさまのいちの騎士。名無しの騎士を気取るのは、これまでだ……」
それでもユリウスはレイドに苦戦します。レイドからは「騎士のままでは自分には届かない」——お前はハリボテだ、という趣旨の言葉を投げつけられる。しかしユリウスは、幼い頃に出会った憧れの騎士・ラインハルトの姿を回想しながら、憧れた騎士を「装う」ことを最後まで貫くと宣言します。そして、名前を奪われて以来呼びかけに応じなくなっていた六体の準精霊との契約を自ら断ち切り、その上で改めて再契約に成功。「蕾たち」と呼びかける声に、精霊たちが再び応えました。覚醒したユリウスを見たレイドは箸を捨て、剣を抜いて戦いを挑み、以後は剣と剣の熾烈な戦いへと移ります。
その戦いの最中、襟ドナはオドの中に潜んでいるアナスタシアに語りかけます。「君の騎士の一番カッコいいところを見ないなんて、そんなもったいない真似、ケチな君らしくないじゃないか」。アナスタシアが表に出てこなかったのは、『暴食』に喰われてユリウスを忘れるのが怖く、自分の中に閉じこもっていたから。促されたアナスタシアはついに表に出て、「ユリウス、いったれウチの騎士」と声をかけ、ユリウスがそれに応えます。
ユリウスの剣が、レイドの腹に届く。同時に、レイドの魂を宿していたロイ・アルファルドの肉体が、その魂に耐えられず崩壊を始めます。ユリウスは戦いそのものの「敗け」を認めつつ、結果としては勝利。レイドは肉体の崩壊とともに消滅し、後には気を失ったロイが横たわりました。ユリウスはアナスタシアと再会します。アナスタシアは、名前を奪われたユリウスのことを覚えていません。それでも彼女はもう一度ユリウスを望み、ユリウスは名を名乗って剣を捧げました。
そして一層『マイア』の試験会場に入ったエミリアの前に現れたのは、一層の試験官——『神龍』ボルカニカ。「古の盟約により、頂へ至る者の志を問わん」。エミリアへの問いかけで、第83話は幕を閉じます。
ここまでのおさらい|第80話〜第82話で何が起きていたか
第83話は、《奪還編》がここまで積み上げてきた危機がいっせいに動き出す回です。途中から見た方のために、直前3話の流れを整理しておきます。第80話の詳しい解説は第80話「五つの障害」の記事を、《奪還編》全体の放送・原作対応は《奪還編》完全ガイドをどうぞ。
- 第80話「五つの障害」——魔獣の軍勢がプレアデス監視塔に殺到し、塔内には『暴食』のライ・バテンカイトスが出現。ラムがエミリアを「銀髪の知らない女」と呼び、『暴食』の浸食が仲間の絆に及んでいることが明らかに
- 第81話「一途な星」——公式あらすじで「魔獣のスタンピード。二人の大罪司教。突如出現した大サソリ。そして突きのぼる漆黒の影」、さらにレイドと、塔を襲う危機が列挙される。二層『エレクトラ』の試験官である初代『剣聖』レイド・アストレアの魂が、『暴食』ロイ・アルファルドの肉体を乗っ取っていたことも判明
- 第82話「ナツキ・スバル」——スバルが『菜月・昴』と記された自身の『死者の書』を読み、記憶を失う前のスバルと失った後のスバル、二つの記憶が統合される
つまり第83話は、「危機が出揃った」第81話と「スバルが自分を取り戻した」第82話を受けて、ようやく反撃の采配が下る回。ここまで守勢一辺倒だった一行が、初めて全員で持ち場に散ります。
第83話の見どころ3つ
① 「エミリアたんのいちの騎士」——統合したスバルの名乗りと、エミリアの気遣い
二つの記憶が統合されたスバルが最初に向かった先は、エミリアのもとでした。「俺の名前はナツキ・スバル! エミリアたんのいちの騎士!!」という名乗りは、記憶を失っていた間の彼にはどうしても言えなかった台詞です。抱きつくエミリア——ここまでは再会の喜びの場面ですが、この場面の核はその直後にあります。エミリアは「記憶がない時のスバルもスバルだった」という趣旨で、統合によって“もう一人のスバル”が消えてしまったのではないかと心配するのです。彼女にとって、記憶を失った後のスバルは「別人」でも「不完全なスバル」でもなく、同じスバルだった。《喪失編》から「記憶のないスバル」と向き合い続けてきたエミリアだからこそ出てくる言葉で、放送中の実況でもこの一言に反応する声が上がっていました。
② 「名無しの騎士を気取るのは、これまでだ」——ユリウスの名乗りと「蕾たち」の再契約
この回の主役は間違いなくユリウスです。名前を喰われ、スバル以外の誰からも覚えてもらえず——そのスバルさえ、召喚されてからの記憶を失っていた間は彼を忘れていた——「名無しの騎士」として戦い続けてきた彼が、記憶を取り戻したスバルからの伝言を受けて、レイドの前で改めて自分の名を名乗る。しかし名乗っただけでは届かない。レイドに「ハリボテ」と断じられてなお、幼い頃に憧れたラインハルトの姿を胸に、憧れた騎士を「装う」ことを貫くと言い切る——ここでユリウスは、六体の準精霊との契約をいったん自分の手で断ち、その上で結び直します。「蕾たち」と呼びかける声に精霊が応えた瞬間、それまで箸で戦っていたレイドが箸を捨て、剣を抜く。箸であしらっていた相手に本気を出させた、という構図が痛快です(実況には「ちゃんと面白くなったら最強の瞬間を待ってくれる」という声も)。放送直後の実況では「戦闘作画も素晴らしくて」「一つ一つが丁寧で重さがある」と剣戟の作画を称える声が並び、放送後の反応まとめでも作画を絶賛する声が目立ちました。
③ 「ユリウス、いったれウチの騎士」——アナスタシア帰還、そして神龍の登場
後半の泣きどころは、襟ドナがオドの中のアナスタシアに語りかける場面です。「ケチな君らしくないじゃないか」という挑発まじりの言葉で背中を押されたアナスタシアが、ついに表に出て「ユリウス、いったれウチの騎士」と声を張る。カララギ弁の帰還には放送中の実況でも「カララギ弁返ってきた」と沸く声が上がり、放送後の反応まとめでは第83話全体について「後半ずっと泣いてた」「涙で前が見えない」という声も紹介されています。決着後、名前を奪われたユリウスを覚えていないアナスタシアが、それでももう一度彼を望む再会も含め、《奪還編》というタイトルの意味をユリウスとアナスタシアの二人で体現した場面です。そしてラストには、あぐらをかいて座る巨大な龍——『神龍』ボルカニカが登場。エミリアの最後の『試験』が始まる、次回への最高の引きでした。
「五つの危機」への布陣|第83話で誰がどこへ向かったのか
第83話の前半で、スバルは公式あらすじの言う「五つの危機」に対し、仲間たちを次のように振り分けました。第80話から積み上がってきた「同時多発の危機」に、ようやく一行全員で応える布陣です。登場人物の勢力図と対決カードの全体像は奪還編の登場人物・勢力図まとめで整理しています。
| 持ち場 | 向かった仲間 | 相手・役割 |
|---|---|---|
| 塔の外(ベランダから魔獣に乗って塔を下る) | スバル・ベアトリス・メィリィ | 大サソリと化したシャウラと、魔獣のスタンピードの阻止 |
| 上層(一層『マイア』へ) | エミリア | 上階へ駆け上がる。二層はすでに『試験』を突破済みのため通過できる |
| 螺旋階段 | ラム | 『暴食』ライ・バテンカイトスを待ち受ける |
| 二層『エレクトラ』 | ユリウス(襟ドナが見届ける) | 初代『剣聖』レイド・アストレア |
注目したいのは、この采配が「自分は一番危険な塔の外の敵を引き受ける」「エミリアは上へ行かせる」という、スバルにしかできない判断で組まれていることです。ラムを螺旋階段に置いたのは、取り逃がした『暴食』ライをそこで待ち受けるため——しかも相手は、レムの記憶を喰らって姉妹の絆を引き裂いた因縁の敵です。エミリアを上へ向かわせたのは、彼女が二層の『試験』を突破済みで先へ進めるから。そして襟ドナをユリウスのもとへ向かわせた意味は、後半のアナスタシア帰還の場面で明らかになります。誰をどこへ置くかという判断の一つひとつが、後半の展開の伏線として機能していました。
コル・レオニスと「二つの記憶の統合」|スバルはなぜ仲間の位置が分かるのか
第83話の冒頭でスバルがベアトリスやラムの居場所を探り当て、合流していく場面(実況では「”気”を探るの使いこなしてる」という声も)は、スバルの新たな権能によるものです。第84話の公式あらすじでは、この力が「スバルの新たな権能『コル・レオニス』」と初めて名前付きで紹介されています。原作設定では『強欲』の権能とされ、感情的なつながりのある相手の負担を一時的に自分に引き受け、その代わりに相手の力を引き上げる力。発動中はその相手を光点として感知でき、位置や状態が分かります。第83話では「仲間の位置が分かる」という側面が描かれ、続く第84話ではラムの身体にかかる負担を支える形で使われたことを、公式あらすじが明かしています。
そしてこの権能を、記憶を取り戻した今のスバルが使えている背景にあるのが、第82話の「二つの記憶の統合」です。スバルは『菜月・昴』と記された自身の『死者の書』を読み、記憶を失う前のスバルと失った後のスバル、二つの記憶を一つにしました。『死者の書』が何なのか、なぜ本人の書があるのかは「死者の書」完全解説で整理しています。統合したスバルは、記憶のないスバルが手にした権能と、記憶を取り戻したスバルの経験の両方を持つ——エミリアが「記憶がない時のスバルもスバルだった」と気遣ったのは、まさにこの「両方のスバル」を、彼女がどちらも本物として見ていたからです。
ユリウスの「再契約」とは|準精霊はなぜ応えなくなっていたのか
ユリウスは六体の準精霊と契約する精霊騎士です。しかし『暴食』に名前を喰われて以来、準精霊たちは彼の呼びかけに応じなくなっていました。名前を喰われるとは、周囲から存在を忘れられること——それは人間だけでなく、契約相手の精霊との絆にも及んでいた、というわけです。名前を失ったユリウスは、精霊たちにとっても「知らない誰か」になってしまっていました。
第83話でユリウスがやったのは、その途切れかけた契約に縋ることではなく、契約を自ら断ち切り、“今の自分”として改めて結び直すことでした。「名無しの騎士」として過去の名前に頼るのをやめ、今ここにいるユリウス・ユークリウスとして名乗り、精霊にもう一度選んでもらう。だからこそ、この回の「名乗り」と「再契約」は一続きの出来事です。原作では、この再契約によって準精霊たちが本物の精霊へと進化し、より強い魔法が使えるようになったとされています。アニメでもレイドが「箸を捨てて剣を抜く」ことで、ユリウスの覚醒が本物であることが演出上はっきり示されました。
レイドとロイ|なぜ「時間切れ」のような決着になったのか
ユリウスvsレイドの決着は、少し複雑です。ユリウスの剣は確かにレイドの腹に届きました。しかし同時に、レイドの魂を宿していたロイ・アルファルドの肉体が、その魂に耐えられず崩壊を始めます。第81話で判明したとおり、二層の試験官レイドは『暴食』ロイの身体を乗っ取って戦っていました。四百年前の英雄の魂を、借り物の肉体が受け止めきれなかった——だからユリウスは「敗け」を認め、それでも結果として勝利した。放送直後の実況で「最後まで、貴方の勝ちだ」という趣旨の言葉が引用されていたのは、この構図があるからです。
| 人物 | 第83話での状態 |
|---|---|
| レイド・アストレア(魂) | ロイの肉体を借りてユリウスと決闘。ユリウスの剣が腹に届き、肉体の崩壊とともに消滅 |
| ロイ・アルファルド(肉体) | レイドの魂に耐えられず崩壊が始まる。決着後は気を失って横たわる |
| ユリウス | 名乗り→再契約→剣が届く。戦いの「敗け」は認めつつ、結果的に勝利 |
初代『剣聖』レイドがどれほど規格外の存在なのかはレイド・アストレアの謎と強さで、そしてユリウスの名前を喰った張本人でありながら「身体を貸す側」に回ってしまったロイについてはロイ・アルファルド解説で詳しくまとめています。ユリウスの名を奪った男の身体で、自らの名を名乗り直したユリウスがレイドと決着をつける——この因縁の畳み方は、原作第六章の中でも屈指の構図です。
「勝ったのに敗けを認める」ってちょっと不思議に聞こえるけど、ユリウスにとっては剣の勝負としては届いていなかった、ということ。それでも名乗りと再契約で「自分は誰か」を取り戻した——だから“見事な敗者”なんだよね。気絶して残ったロイがこの後どうなるかは、第83話の本編では描かれていないよ。
襟ドナとアナスタシア|表に出てこなかった本当の理由
《奪還編》でアナスタシアの身体を使って喋っていた「襟ドナ」は、『強欲の魔女』エキドナが作った人工精霊で、アナスタシア・ホーシンの襟巻きに宿っていた存在です。名前は同じですが、『強欲の魔女』本人とは別の存在なので注意してください。《喪失編》第73話の公式あらすじでも「アナスタシアを演じず、人工精霊としての言葉でもって対話するエキドナ」と紹介されていたとおり、彼女はもうアナスタシアのふりをしていません。
では、アナスタシア本人はどこにいたのか。第83話で明かされたのは、彼女が『暴食』に喰われてユリウスを忘れてしまうのが怖くて、自分のオドの中に閉じこもっていたという事実でした。ユリウスが名前を喰われたプリステラの戦いの前後から、アナスタシアはユリウスを忘れないために、襟ドナに自分の身体を明け渡し、オドの中に潜んできた——その関係の中で、アナスタシアは「忘れる」ことそのものから逃げていたのです。襟ドナの「君の騎士の一番カッコいいところを見ないなんて、そんなもったいない真似、ケチな君らしくないじゃないか」という言葉は、その逃げ場から彼女を引きずり出す一言でした。
そして決着後の再会。アナスタシアは名前を奪われたユリウスを覚えていません。それでも彼女はもう一度ユリウスを望み、ユリウスは名を名乗って剣を捧げる。「忘れられた」ことを前提に、それでも関係をやり直す——記憶を失ったスバルと、それでも彼と向き合い続けたエミリアたちが《喪失編》から歩んできた道を、今度はユリウスとアナスタシアが歩き始めた場面です。アナスタシアという人物の背景や襟ドナとの出会いはアナスタシア・ホーシン解説にまとめています。
シャウラの大サソリ化と塔のルール|エミリアが蹴り出した理由
第83話のもう一つの衝撃が、シャウラの大サソリ化です。「誰かが塔のルールを破った」ことでシャウラは限界を迎え、本来の姿である魔獣「紅蠍」へと変化しようとしていました。スバルが「自分はお師様ではない、死ねなんて言ってやらない」という趣旨の言葉を告げた直後、シャウラは大サソリへ変化。エミリアがそのシャウラを蹴飛ばして塔の外へ押し出します。塔の中で大サソリを暴れさせるわけにはいかない以上、外に出して「魔獣のスタンピード」と同じ持ち場で対処する——スバル・ベアトリス・メィリィがベランダからメィリィの操る魔獣に乗って塔を下り、塔の外の敵を引き受けた理由はここにあります。
原作設定では、塔のルールが破られるとシャウラは契約により、本人の意思とは無関係に紅蠍へ変身し、塔内の全員を排除しようとするとされています。塔のルールとしては「試験を終えずに塔を出てはならない」「試験のルールを破ってはならない」「書庫を侮辱してはならない」「塔を傷つけてはならない」などが挙げられ、一方で「試験を破壊すること」は禁じられていない、という抜け道も知られています。第83話の本編では、誰がどのルールを破ったのかまでは示されていません。シャウラの正体や紅蠍についてはシャウラの正体解説を(※原作の結末まで触れている記事なのでネタバレにはご注意を)、塔の構造や各層の『試験』はプレアデス監視塔の完全解説をどうぞ。
ラストに現れた『神龍』ボルカニカ|三英傑の残る一角・声は小野大輔
一層『マイア』へ駆け上がったエミリアの前に現れたのは、一層の試験官『神龍』ボルカニカ。第83話の放送に合わせて、公式サイトからボルカニカ役を小野大輔さんが演じることが解禁されました。公式のキャラクター紹介は次のとおりです。
四百年前、当時のルグニカ国王と盟約を結んだとされる伝説の『神龍』。世界を救った三英傑の一角。世界のバランスを保つ上で重要な役割を担い、絶大な力を持つと伝えられている。王国の守護者としてその名は広く知られ、畏敬の念を集める存在。その生態は多くの謎に包まれる。(公式サイト キャラクター紹介より)
「古の盟約により、頂へ至る者の志を問わん」——エミリアに向けられたこの一言が、第83話の締めくくりです。あぐらをかいて座る姿には、放送中の実況で「ボルカニカお前その見た目であぐらかくキャラなの!?」と驚く声も上がっていました。ボルカニカ、レイド、そして『賢者』——公式サイトが「世界を救った三英傑」と呼ぶ三者は、第六章の舞台であるこの塔に、それぞれの形で関わっています。
| 三英傑 | 監視塔での立場 | 第83話時点 |
|---|---|---|
| 『神龍』ボルカニカ | 一層『マイア』の試験官 | 第83話ラストで初登場。エミリアに「志を問わん」と問いかける |
| 『剣聖』レイド・アストレア | 二層『エレクトラ』の試験官(ロイの肉体に魂が宿っていた) | ユリウスとの決闘の末、肉体の崩壊とともに消滅 |
| 『賢者』シャウラ | 塔の番人(公式紹介では『賢者』は「青年として伝えられている」) | 塔のルールが破られ大サソリ(紅蠍)に変化。エミリアに蹴り出され塔の外へ |
三英傑のうちレイドとボルカニカが第83話で同時に動き、しかも一人は退場、一人は初登場——第六章クライマックスの幕開けにふさわしい配置です。ボルカニカと三英傑の伝承、王国との盟約の背景は神龍ボルカニカの正体考察で詳しく解説しています。次回・第84話の公式あらすじによれば、この神龍は「何故か同じ言葉を繰り返すだけ」——一筋縄ではいかない最後の『試験』が、エミリアを待っています。
サブタイトル「グッドルーザー」の意味|誰が“見事な敗者”なのか
「グッドルーザー」は、Web版第六章85話の題『グッドルーザー』(2020年10月30日投稿)と一致し、書籍版25巻の第6章の章題でもあります。一般的な語としては、勝負に負けたときにも潔く敗北を受け入れ、勝者に敬意を払う「見事な敗者」「潔い敗者」という意味です。
では第83話で「敗者」は誰なのか。制作側からの説明はありませんが、本編の描写からは二人に掛かる題だと読めます。一人は、剣の勝負としての「敗け」を認めながら、名乗りと再契約で自分を取り戻したユリウス。もう一人は、借り物の身体が崩壊したことで決着がつき、それでも最後は箸を捨てて剣で応じたレイド。放送直後の実況でも「敗者だらけの決着、だからこそのスタートライン」という声や、サブタイトルを「ユリウスを端的に表してる」と評する声が見られました。なお視聴者の反応では、サブタイトルの表示がユリウス戦の決着後だったことも話題になっており、この題が決闘の結末に向けて置かれたものだと感じた人が多かったようです。
第83話は原作の何巻?|書籍版25巻・第六章の完結巻
第83話にあたるのは、書籍版25巻(MF文庫J・2020年12月25日発売)です。25巻は第六章『記憶の回廊』の完結巻で全10章構成。サブタイトルの「グッドルーザー」は、この25巻の第6章の章題と同じです。統合直後の合流と采配は第4〜5章あたり、ユリウスvsレイドの決着が第6章「グッドルーザー」——というのが章題から見た第83話のおおよその範囲です(章題からの推定で、各章の細かな区切りは本編と前後する可能性があります)。前話・第82話「ナツキ・スバル」も25巻の序盤(第2章「ナツキ・スバル」〜第3章「ルイ・アルネブ」)にあたるので、《奪還編》は第81話の終盤から25巻に入っていると考えて大丈夫です。
Web版(小説家になろう)では、第六章85『グッドルーザー』(通算492話)を含む範囲です。ここで面白いのがWeb版と書籍版・アニメの「順番の違い」。Web版では『ラム』が第六章83、『グッドルーザー』が第六章85と、章題としては「ラム」が先に置かれています。ただしWeb版の83『ラム』はラムがライを追い詰めるところまでで、ライとの決着そのものは『グッドルーザー』の後の第六章86『昨日の話』で描かれます。つまりWeb版は、ラム戦→エミリア→ユリウスの決着→ラムの決着と交互に進む構成です。書籍版25巻は第6章「グッドルーザー」→第7章「ラム」、アニメも第83話「グッドルーザー」→第84話「ラム」と、Web版ではユリウスの決着より前にあった『ラム』の章をその後ろへ回し、ユリウスの決着→ラムの決着の流れに整理し直しています。Web版既読の方が「ラムの戦いが先だった気がする」と感じるのは、この並びの違いによるものでしょう。
第六章は25巻で完結し、その先は第七章『狼の国』=26巻からになります。第83話の続き、そしてレムがどうなるのかを先に知りたい方は、25巻から読むのが一番の近道です。25巻の展開は原作25巻あらすじ・ネタバレ考察でも扱っています。
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第83話の放送・配信スケジュール|DMM TVは9月19日(土)22:30〜配信済み
《奪還編》は毎週水曜放送です。第83話「グッドルーザー」は2026年9月16日(水)に放送済み(AT-Xで22:00から最速放送、ほか各局で順次放送。この回は一部の地方局で特別編成により5〜6分程度の繰り下げがありました)。見放題サービスでの配信は、地上波先行の最速配信(水曜22:30〜)のあと、毎週土曜22:30〜以降の順次配信となり、DMM TVでは9月19日(土)22:30から配信中です。放送局ごとの時間は公式サイトの放送情報で確認できます。
| 話数 | テレビ放送 | DMM TVなど見放題配信 |
|---|---|---|
| 第82話「ナツキ・スバル」 | 9月9日(水)放送済み | 9月12日(土)22:30〜(配信済み) |
| 第83話「グッドルーザー」 | 9月16日(水)放送済み | 9月19日(土)22:30〜(配信済み) |
| 第84話「ラム」 | 9月23日(水・祝)放送済み | 9月26日(土)22:30〜 |
| 第85話(最終話) | 9月30日(水)・45分拡大版 | 10月3日(土)22:30〜見込み |
第83話のスタッフは、脚本:梅原英司/絵コンテ:尾崎隆晴/演出:柴田彰久、正木陽南子。ユリウスvsレイドの剣戟には多数の作画監督が名を連ねています。なお、第83〜85話を収録するBlu-ray第5巻は2026年11月27日発売予定です。
DMM TVでは『リゼロ』1期・2期・3期・4期《喪失編》がすべて見放題。「ユリウスが名前を喰われた経緯を3期から見直したい」「《喪失編》でシャウラや襟ドナがどう描かれていたか確認したい」という周回視聴が今すぐできます。第84話もDMM TVで配信中なので、第83話までの流れを整えてから続けて見るのがおすすめです。
U-NEXTでも『リゼロ』シリーズは配信中。31日間無料トライアルに加え、毎月のポイントで原作小説を読み進められるのが強みです。
感想総評|「敗者」たちが名乗りを上げる回
《奪還編》全8話の第6話にあたる第83話は、シリーズ全体で見ても「名前」というテーマがもっとも濃く出た回でした。リゼロの『暴食』は、殺すのではなく「忘れさせる」敵です。レムは名前と記憶を喰われて眠り続け、ユリウスは名前を喰われて「名無しの騎士」になり、この周回ではエミリアまでもが仲間から忘れられている。その世界で、記憶を取り戻したスバルが「ナツキ・スバル」と名乗り、ユリウスが「ユリウス・ユークリウス」と名乗り直し、アナスタシアが「ウチの騎士」と呼びかける——失ったものを、取り戻したものから順に、自分の口で言葉にしていく回だったと言えます。
特筆したいのは、ユリウスの勝ち方です。剣で届いたのに、決着は肉体の崩壊。本人が「敗け」を認める勝利。普通なら消化不良になりかねない結末ですが、この回では「勝ち負け」よりも「自分が誰かを言い切れるか」に主題が置かれているので、むしろこの決着こそが正解に見えます。レイドが箸を捨てて剣を抜いた時点で、ユリウスは初代『剣聖』に「本気を出す価値のある相手」と認められた。それで十分だ、と物語が言っているようでした。
一方で、第83話は「まだ何も終わっていない」回でもあります。ラムとライの戦いは始まったばかり、スバルたちは塔の外で大サソリと魔獣の群れを食い止める役目を負ったまま、エミリアの前にはボルカニカ。「五つの危機」のうち、片付いたのはレイドだけです。残り2話でこの盤面をどう畳むのか。第84話「ラム」、そして45分拡大の最終話へ、期待だけが積み上がっていきます。第六章のクライマックスが全体としてどう構成されているかは第6章クライマックス解説もあわせてどうぞ。
追いつき視聴の3ステップ
- 4期《喪失編》(全11話)を見る——スバルが記憶を失った経緯、塔の『試験』、シャウラと襟ドナの登場。DMM TVで見放題です
- 《奪還編》第78話〜第82話で直前の流れを押さえる(第80話までの各話解説は第80話の記事から遡れます)
- 余裕があれば3期を復習——ユリウスやアナスタシア陣営と『暴食』の因縁が描かれる章で、これを知っていると第83話の名乗りの重みが段違いになります
次回・第84話「ラム」に向けて|注目ポイント
次回・第84話「ラム」は2026年9月23日(水・祝)に放送済みで、DMM TVでは9月26日(土)22:30から配信中です。公式あらすじは次のとおりです。
一層『マイア』に到着したエミリアを待っていたのは、ルグニカ三英傑の残る一角『神龍』ボルカニカ。何故か同じ言葉を繰り返すだけの神龍を相手に、最後の『試験』が開始する。一方、螺旋階段では因縁の宿敵・ライに対しラムが戦闘を優位に運んでいた。ツノナシのラムの身体にかかる負担を支えるのは、スバルの新たな権能『コル・レオニス』。しかし不利を悟ったライが、無防備に眠るレムのもとへと跳躍してしまい……。(公式サイトより)
- ラムvsライの決着——第83話で始まった螺旋階段の戦いが本題に。妹を奪った因縁の相手に、ラムが「優位に運ぶ」とあらすじが明言している点に注目です。ライについてはライ・バテンカイトス解説もどうぞ
- コル・レオニスの本領——第83話では「仲間の位置が分かる」使い方だった権能が、ラムの身体の負担を支える形で使われることを、第84話の公式あらすじが明かしています
- エミリアと神龍の『試験』——「同じ言葉を繰り返すだけ」の相手に、どう「志」を示すのか
- 眠るレムへ跳ぶライ——あらすじの末尾が示す、この上なく不穏な展開
さらにその先、最終話・第85話は9月30日(水)に45分拡大版で放送されます。スバルたちの外での戦い、エミリアの『試験』、そしてレムの行方——残された「危機」の答え合わせは最終話へ。第84話の感想・解説も当サイトで順次お届けします。
第83話「グッドルーザー」FAQ
Q. 第83話は《奪還編》の何話目?あと何話ある?
A. 通算第83話=4期第17話=《奪還編》第6話です。残りは第84話「ラム」(9月23日放送済み)と、最終話・第85話(9月30日・45分拡大版)の2話です。
Q. ユリウスはレイドに勝ったの?
A. ユリウスの剣はレイドの腹に届きましたが、決着はロイ・アルファルドの肉体がレイドの魂に耐えられず崩壊したことによるものです。ユリウス自身は戦いの「敗け」を認めつつ、結果的に勝利。レイドは消滅し、気を失ったロイがその場に残りました。
Q. 「精霊との再契約」って何?
A. 名前を喰われて以来、呼びかけに応じなくなっていた六体の準精霊との契約を、ユリウスが自ら断ち、“今の自分”として結び直したものです。原作では、この再契約によって準精霊が本物の精霊へ進化するとされています。
Q. アナスタシアはなぜ今まで出てこなかった?
A. 『暴食』に喰われてユリウスを忘れてしまうのが怖く、自分のオドの中に閉じこもっていたからです。第83話で襟ドナ(人工精霊エキドナ)に促されて表に出て、「ユリウス、いったれウチの騎士」と声をかけました。
Q. 最後に出てきた龍は誰?声優は?
A. 一層『マイア』の試験官、『神龍』ボルカニカです。第83話の放送に合わせて、小野大輔さんが演じることが公式サイトで解禁されました。公式サイトでは「世界を救った三英傑の一角」と紹介されています。
Q. 「グッドルーザー」の意味は?
A. 一般には、負けを潔く受け入れて勝者に敬意を払う「見事な敗者」の意味。Web版第六章85話の題、書籍版25巻の第6章の章題と同じです。第83話では、敗けを認めたユリウスと、借り物の身体で敗れたレイドの双方に掛かる題だと読めます。
Q. 第83話は原作の何巻?
A. 書籍版25巻(第六章『記憶の回廊』の完結巻)です。Web版では第六章85『グッドルーザー』(通算492話)を含む範囲にあたります。第六章の続きである第七章は26巻からです。
Q. 第83話はDMM TVでいつから見られる?次回はいつ?
A. DMM TVでは2026年9月19日(土)22:30から配信済みです。次回・第84話「ラム」は9月23日(水・祝)に放送済みで、DMM TVでは9月26日(土)22:30から配信中です。DMM TVは月額550円(税込)・14日間無料で、1期から4期《喪失編》まで見放題です。
「名無しの騎士を気取るのは、これまでだ」——奪われた名前を、他の誰かに返してもらうんじゃなくて、自分で名乗り直す。ユリウスの選んだやり方が、そのまま《奪還編》の答えになっている気がするな。残りは2話。ラムの戦いとエミリアの『試験』、見届けよう。
まとめ|自分の名を名乗った二人の騎士
第83話「グッドルーザー」の要点
- 二つの記憶が統合されたスバルがエミリアと再会し、「エミリアたんのいちの騎士」と名乗る。ただしこの周回のエミリアは『暴食』に喰われ、仲間から忘れられている
- 公式あらすじの言う「五つの危機」に仲間を振り分ける総力戦が開始。スバル・ベアトリス・メィリィはベランダから魔獣に乗って塔を下り、塔の外で大サソリと魔獣を食い止め、エミリアは上層へ、ラムは螺旋階段へ、襟ドナはユリウスのもとへ
- ユリウスがレイドの前で名乗り直し、六体の準精霊と再契約。剣は届いたが、決着はロイの肉体の崩壊——「敗けを認めた勝利」
- アナスタシアが表に出て「いったれウチの騎士」。忘れたままでも、二人は関係をやり直す
- 原作対応は書籍版25巻(Web版第六章85『グッドルーザー』を含む範囲)。DMM TVの見放題配信は9月19日(土)22:30〜配信済み、次回・第84話「ラム」は9月26日(土)22:30から配信中
名前を喰われた騎士が、自分の口で名を名乗り、精霊にもう一度選ばれ、主に剣を捧げる。そしてラストに待つのは『神龍』——第83話は、《奪還編》の「奪還」が何を意味するのかを、ユリウスとアナスタシアの二人で示した回でした。第84話「ラム」の配信は9月26日(土)22:30から。ぜひご自身の目で、螺旋階段の決着を確かめてください。
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