【ネタバレ】『先生、私の隣に座っていただけませんか？』【Amazon Prime Video (アマプラ)独占配信】 あらすじ考察感想評価
『先生、私の隣に座っていただけませんか？』アマプラ配信決定！
結婚5年目を迎えた、俊夫（柄本佑）と佐和子（黒木華）の漫画家夫婦。佐和子が不倫をテーマにした新作を描き出すが、佐和子の担当編集者である千佳（奈緒）と不倫をしていた俊夫は、佐和子の新作に登場する夫婦が自分たちとそっくりであることに気づき、自らの不倫がバレたのではないかと考える。そして漫画のストーリーは、佐和子をモデルにしたらしき女性と自動車教習所の先生が恋に落ちる展開を迎える。
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「先生、私の隣に座っていただけませんか？」のネタバレ感想・考察
【ここからは物語の核心を含むネタバレとなります。閲覧される場合はご注意ください。】
※ただ、このネタバレは本作品を観た管理人が解釈して内容を述べ、映画の断面を捉えてるに過ぎません。興味の沸いた方は是非本編をご覧くださいませ。
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マンガ家の佐和子は、ある日、同じくマンガ家である夫の俊夫が、自身の担当編集者とキスしているところを目撃してしまいます。
ショックを受けた佐和子は、悩んだ末に、夫に浮気された女性が自動車教習所で出会ったイケメンの先生と恋に落ちる・・・というストーリーのマンガを描き始めました。
その原稿を盗み見た俊夫は焦り、不倫していたことを認めて佐和子に謝ります。
佐和子はその謝罪を受け入れたフリをして、翌日、自身の不倫相手である自動車教習所の指導員と手に手を取って家を出たのでした。
長く続いた連載作品の最終回を描き上げたばかりのマンガ家・佐和子のもとへ、母の真由美が事故に遭ったという電話がかかってきたところから物語は始まります。
しかも、それを同じくマンガ家で、かつては師と仰いでいた夫の俊夫に知らせようとしたところ、彼が自身の担当編集者である千佳と熱烈なキスを交わしている場面に遭遇してしまい、佐和子は穏やかならぬ気持ちを抱えたまま、母が１人で暮らす実家へと俊夫と共に向かうことになったのです。
命に別状はなかったものの、日常の買い物一つするにしても車が必須アイテムと言えるような田舎で、怪我が治るまでは松葉杖をつかないと歩けなくなってしまった真由美には、手助けが必要でした。
そんなわけで、夫妻と真由美は期間限定の同居をスタートさせますが、実は車を運転することが出来ない佐和子は、いざという時のために運転免許を取得すべく、新連載の構想を練るかたわら、自動車教習所へと通い始めます。
そうしてそこで、若くてイケメンの教習指導員・歩と出会ったのです。
歩は容姿が整っているだけでなく、気配り上手でとても優しい、魅力的な若者でした。
そんな彼からインスピレーションを得た佐和子は、新連載用として不倫をテーマとしたマンガを描き始めます。
主人公は佐和子に良く似た女性マンガ家で、俊夫に良く似た夫と千佳に良く似た不倫相手の女性とのキスシーンを見てしまった彼女が、実母が事故に遭ったことがきっかけで通い出した自動車教習所で歩に良く似たイケメンの先生と出会い、やがて不倫関係になっていく・・・というストーリーの作品です。
現実をそのままマンガ化したかのような内容を目にして、身に覚えがある俊夫は、当然ながらひどく動揺しました。
と同時に、これがノンフィクションならば、佐和子もまた不倫をしているということになると思い至り、焦燥感に駆られます。
そんなふうに疑心を募らせ、挙動不審にる俊夫とは裏腹に、佐和子は、より女性らしい服装をするようになったこと以外、普段と変わらない態度で過ごしていました。
しかし、ある日突然無断外泊し、あげく歩を連れて帰宅する・・・という驚きの行動に出たのでした。
いよいよ余裕を失ってしまった俊夫でしたが、佐和子から「このマンガのネーム、ペン入れしてもらえませんか？」と言われ、２人並んで作業している際、光とのくだりについてはフィクションかと尋ねたところ、「そうだよ」という答えが返ってきたため、ホッと胸をなで下ろします。
ところが翌朝、なんと佐和子は光と共に姿を消してしまったのです。
仲良く手を繋ぎながら家を出ていく佐和子と光を、もう松葉杖がなくても歩けるようになった真由美は、「はじめっから、許すつもりなんてなかったんでしょ？」と言って笑顔で見送ったのでした。
本作は、現実と、佐和子が描いたマンガのストーリーと、俊夫が巡らせる想像が錯綜し、観客をも欺くトリッキーな構造が見どころの映画です。
また、驚きのラストは達成感と爽快感に満ちていて、不倫という重苦しくなりがちなテーマを扱いながら後味が悪くないのもこの作品の特徴です。
それから、俊夫の不倫相手である千佳のキャラクターが非常にユニークで、佐和子に対する罪悪感など微塵も抱いておらず、当事者でありながらまるで野次馬のように事態を楽しんでいる様子は、観客に強烈なインパクトを与えます。
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