鋼の錬金術師BROTHERHOODの「スカー」って、最初は怖い殺人鬼みたいに出てくるのに、最後はめちゃくちゃカッコいいよね……。あの額の傷跡と右腕の刺青、いったいどういう意味があるの?
スカーは「復讐者」から「贖罪する者」へと変わっていく、BROTHERHOODでも屈指の重厚なキャラなのよね。イシュヴァールの信仰、民族差別、戦争の傷……彼を理解すると物語の見え方が一段深くなるよ。今回はスカーの正体・右腕の力・名シーンを徹底的に考察していくね!
『鋼の錬金術師BROTHERHOOD』に登場するスカー(Scar)は、額に大きな傷跡(=スカー)を持つイシュヴァール人の僧侶であり、国家錬金術師を次々と手にかける「復讐者」として物語に登場します。
しかし彼は単なる敵役ではありません。故郷を焼かれた民族の生き残りとして、深い悲しみと怒りを背負いながら、やがて「破壊」から「再建」へと歩み出していく——その変化こそがスカーというキャラクターの核心です。
本記事では、スカーの正体・右腕の「分解」の力・名言・エルリック兄弟との因縁・贖罪への道のりを、原作(荒川弘版=BROTHERHOOD)に忠実にあらゆる角度から徹底考察します。スカーを深く理解したい方は、ぜひ最後までお読みください。
この記事でわかること
- スカーの正体とイシュヴァール人としての背景
- 右腕に刻まれた「分解」の刺青と破壊術の仕組み
- なぜスカーは国家錬金術師を狙う「復讐者」になったのか
- エルリック兄弟やロックベル夫妻との因縁
- 復讐者から「国の再建・贖罪」へと至る心の変化
- スカーの名言集と名シーンまとめ
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スカーの基本プロフィール

まずはスカーの基本情報を整理しておきましょう。彼は本名が作中で明かされない、謎めいた人物として描かれています。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 通称 | スカー(Scar=傷跡の意。額の大きな傷に由来) |
| 本名 | 作中で明かされない(最後まで「名は無い」とされる) |
| 民族 | イシュヴァール人(褐色の肌・赤い瞳が特徴) |
| もとの職業 | イシュヴァール教の僧侶(修行僧) |
| 外見的特徴 | 額の十字状の大きな傷跡、白髪、サングラス、右腕の刺青 |
| 右腕 | 錬金術師だった兄が研究した「分解(破壊)」の刺青が刻まれた腕 |
| 立場(序盤) | 国家錬金術師を狙う連続殺害者・復讐者 |
| 立場(終盤) | マスタングやエルリック兄弟らと共闘し、国を救う側へ |
| 背景となる出来事 | イシュヴァール殲滅戦(内乱)の数少ない生き残り |
| 関係する人物 | 兄(故人)、メイ・チャン、マルコー、エルリック兄弟、マスタング、ロックベル夫妻 |
スカーという「名」の意味
「スカー」とは英語で「傷跡」を意味する言葉です。これは彼の本名ではなく、額に刻まれた十字状の大きな傷に由来して周囲から呼ばれるようになった呼称にすぎません。
作中でスカーは終始、自らの名を明かしません。彼にとって個人の名は、故郷を焼かれ、民族を奪われたあの戦争のなかで意味を失ってしまったものでした。「俺に名は無い」という彼の言葉は、ひとりの人間というより「奪われたイシュヴァールそのもの」を背負って生きる彼の姿勢を象徴しています。
名前を名乗らないって、ただミステリアスなだけじゃなくて、ちゃんと意味があるんだね……。失ったものの重さが「名前がない」ことに表れてるのが切ない。
そうなの。だからこそ終盤で彼が「個人」を取り戻していく過程がすごく胸に来るんだよね。名を持たない男が、国の未来のために生きる場所を見つける——そこにスカーの物語の本質があるの。
スカーの右腕「分解」の力と戦闘スタイル

スカー最大の特徴であり、物語上の重要な仕掛けが、右腕に刻まれた「破壊(分解)」の刺青です。この力の仕組みを詳しく見ていきましょう。
1. 兄が遺した「分解」の錬金術
スカーの右腕の刺青は、錬金術師だった兄が研究していたものです。イシュヴァール殲滅戦のさなか、瀕死のスカーの右腕は、兄が自らの腕を移植する形で受け継がれました。つまりこの右腕の力は、スカー自身が編み出したものではなく、兄の研究の結晶なのです。
本来、錬金術は「理解」→「分解」→「再構築」という三段階で物質を錬成します。ところがスカーの右腕は、このうち「分解」までで意図的に止めるという特異な術を使います。再構築をしないため、対象は元に戻ることなく、内側から砕け散ってしまうのです。
錬金術の三段階と「分解の右腕」の違い
- 理解:対象の構造・組成を読み取る(ここは通常の錬金術と同じ)
- 分解:物質の結びつきを解く(スカーの右腕はここで止める)
- 再構築:本来はここで新しい形に作り直す(スカーは行わない)
- → 結果として、対象は内側から破壊され、元に戻せない
2. 触れたものを内側から砕く破壊術
スカーの右腕は、触れた対象を内側から砕く破壊に特化しています。岩や壁、武器はもちろん、生身の人間に触れれば致命傷を与える、極めて殺傷力の高い力です。
序盤でエドワード・エルリックと対峙した際には、エドの右腕のオートメイル(鋼の義手)を分解して破壊し、その圧倒的な力差を見せつけました。手で触れるだけで発動するため、接近を許せば錬金術師にとって極めて危険な相手となります。
| スカーの戦い方 | 具体的な特徴 |
|---|---|
| 右腕での「分解」 | 触れた対象を内側から砕く。再構築しないため修復不能 |
| 接近戦特化 | 僧侶として鍛えた体術で間合いを詰め、右腕で仕留める |
| 対錬金術師の脅威 | 錬成陣・武器・オートメイルなどを分解で無力化できる |
| 環境の利用 | 地面や壁を分解して足場や逃走路を一瞬で作り出す |
| 修行僧ゆえの胆力 | 痛みや恐怖に動じず、冷徹に標的へ迫る精神力 |
3. 「破壊」と「再構築」をめぐる兄弟の対比
実はスカーの兄は、「分解」だけでなく「再構築」の刺青も研究していました。兄の左腕には再構築の力が、右腕には分解の力が刻まれていたとされ、両者が揃って初めて錬金術の理がそろう構図になっています。
スカーが受け継いだのは「破壊(分解)」の右腕だけ——この事実は象徴的です。復讐に身を投じた序盤のスカーは、まさに「破壊」しかできない存在でした。しかし物語が進むにつれ、彼は兄が遺したもう一つの力=「再構築(創造)」の意味へと向き合っていくことになります。
右腕が「破壊」で、本当は「再構築」とセットなんだ……。スカー自身が破壊しかできなかったのに、最後は国を「作り直す」側に回るって、めちゃくちゃ綺麗な伏線回収だね!
まさにそこがスカーのテーマなのよ。「破壊なくして創造なし」——でも破壊で終わってはいけない。兄が遺した二つの力が、スカーの生き方そのものを物語っているの。
4. 兄の研究と国家錬金術師への複雑な視線
注目したいのは、スカー自身は本来「錬金術を禁忌として遠ざける」イシュヴァール教の僧侶だったという点です。イシュヴァールの信仰では、世界は唯一神エルォによって創られたものであり、その理を人の手で作り変える錬金術は神への冒涜とされてきました。
その信仰を持つスカーが、皮肉にも錬金術そのものである「分解の右腕」を武器に復讐を続けている——ここにスカーという人物の大きな矛盾と苦悩があります。彼が振るう力は、敬愛する兄の研究の成果であり、同時に自分が忌み嫌ってきた錬金術でもあるのです。この自己矛盾を抱えたまま戦い続ける姿が、スカーの物語に重い陰影を与えています。
スカーが抱える三つの矛盾
- 錬金術を禁忌とする僧侶でありながら、錬金術の力で戦う
- 「裁く者」を名乗りながら、自らも罪なき人を手にかけてしまった
- 破壊しかできない右腕を持ちながら、心の奥では「再建」を求めている
5. 兄の研究と賢者の石・国土錬成陣との関わり
スカーの兄が遺した研究は、単なる戦闘術ではありませんでした。兄はアメストリスの錬金術とイシュヴァールに伝わる思想、さらにシン国の錬丹術までも統合しようと試みており、その膨大な研究内容は、物語終盤で国家の巨大な陰謀=国土全体を使った錬成陣に対抗する重要な鍵となっていきます。
つまりスカーは、右腕という「力」だけでなく、兄が遺した「知」そのものを背負った人物でもあるのです。当初は復讐の道具として右腕を振るっていた彼が、やがてその知を国を救うために使う側へと回っていく——この転換が、スカーの役割を「敵」から「鍵を握る存在」へと押し上げます。
6. 元国家錬金術師マルコーとの邂逅
スカーの変化を語るうえで欠かせないのが、元国家錬金術師マルコーとの関わりです。マルコーはイシュヴァール殲滅戦で賢者の石を用いて多くの命を奪った過去を持ち、深い罪の意識から軍を離れていた人物でした。
「同胞を殺した国家錬金術師」であるマルコーは、本来スカーが裁くべき相手です。しかし、互いに戦争の罪を背負い、贖罪を求める者同士として、二人は奇妙な協力関係を結んでいきます。憎しみの対象だったはずの相手と手を組むこの展開は、スカーが「個人への復讐」から「国全体の救済」へと視野を広げていく過程を象徴しています。
本当なら殺したいくらい憎い相手と一緒に行動するって、すごい葛藤だよね……。スカーが少しずつ「個人を憎むこと」から離れていくのが伝わってくる。
うん。マルコーもメイ・チャンも、スカーにとっては「自分の凝り固まった世界の外」を見せてくれる存在なの。出会いが人を変えていくっていう、BROTHERHOODらしいテーマがここにも流れているんだよ。
スカーの戦闘シーンは作画も演出も圧巻。とくに右腕の「分解」が炸裂する場面は映像で見てこそ迫力が伝わります。DMM TVなら14日間無料+550ポイントで、序盤の緊張感ある戦いから終盤の共闘まで余すところなく楽しめます。
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スカーの人物像・因縁・名シーン




スカーが多くのファンの心を掴むのは、「強さ」だけが理由ではありません。戦争で奪われた者の痛みを背負い、復讐の果てに贖罪へとたどり着く——その人間ドラマこそが、スカーというキャラクターの真価です。
1. イシュヴァール殲滅戦の生き残りとしての怒り
スカーの出発点は、イシュヴァール殲滅戦です。アメストリス国とイシュヴァール人との間で起きたこの内乱では、国家錬金術師が「人間兵器」として投入され、多くのイシュヴァール人が虐殺されました。スカーは、その数少ない生き残りの一人です。
故郷を焼かれ、家族を、そして敬愛する兄を失った彼にとって、国家錬金術師は「同胞を虐殺した者」そのものでした。生き延びた彼は、神の代行者として彼らを「裁く」ために、国家錬金術師を次々と手にかける復讐者となっていきます。
スカーが復讐者となった背景
- イシュヴァール殲滅戦で故郷と民族の大半を失う
- 錬金術師だった兄が、瀕死の自分に右腕を遺して命を落とす
- 国家錬金術師=同胞を虐殺した者という認識
- イシュヴァールの信仰に基づき、自らを「神の鉄槌」を下す者と位置づける
2. 国家錬金術師への報復とエルリック兄弟との敵対
スカーは作中で、複数の国家錬金術師を手にかけます。代表的なのが、娘を錬成の材料にしたショウ・タッカーや、ナッシュ・トリンガムらです。彼らを「裁く」スカーの姿は、序盤では純然たる脅威として描かれます。
そして「鋼の錬金術師」エドワード・エルリックもまた、国家錬金術師であるがゆえにスカーの標的となります。両者は何度も対峙し、エドはその右腕の力に苦戦を強いられました。アルフォンスとも対立しますが、やがて「同じ怒りや痛みを知る者同士」として、複雑な関係へと変化していきます。
3. ロックベル夫妻——スカー最大の罪
スカーの物語を語るうえで避けて通れないのが、ウィンリィ・ロックベルの両親(ロックベル夫妻)の死です。彼女の両親は、敵味方の区別なく負傷者を治療する医師でした。イシュヴァール殲滅戦のさなか、傷ついたスカー自身を救ったのも、まさにこの夫妻だったのです。
ところが、深い傷と怒りに我を失っていたスカーは、命を救ってくれた恩人であるロックベル夫妻を、自らの手で殺めてしまいます。これはスカーが背負う最も重い罪であり、後に幼馴染ウィンリィと対面したとき、彼女の前で逃げも隠れもせずに罪を認める場面は、本作屈指の重苦しい名シーンとなっています。
命を救ってくれた人を、自分が殺してしまった……。スカーが背負ってるものが重すぎる。ウィンリィと向き合うシーン、見てるこっちも息が詰まったよ。
あの場面は「憎しみの連鎖」がテーマなの。ウィンリィはスカーを撃つことができた。でも撃たなかった。その選択がスカーの贖罪への第一歩にもつながっていくんだよね。誰かが連鎖を断ち切らなきゃいけない、っていう作品全体のメッセージが凝縮されてるの。
4. メイ・チャンとの出会い——変化のきっかけ
スカーの心が解きほぐされていく重要なきっかけが、シン国の少女・メイ・チャンとの出会いです。シン国の「錬丹術」を使うメイとの旅路を通じて、スカーは錬金術=憎むべき技術という凝り固まった見方を、少しずつ広げていきます。
異なる文化・異なる術の体系に触れることで、彼は「破壊」だけでなく「治す力」「作り直す力」の存在を知り、自らの右腕の意味を問い直すようになります。メイとの交流は、復讐者だったスカーに「未来」を考える余地を与えていきました。
5. 復讐者から「再建する者」へ——終盤の共闘
物語終盤、スカーは大きく立ち位置を変えます。国家そのものを蝕む巨大な陰謀の存在が明らかになるにつれ、本当に倒すべき相手はマスタングやエドではなく、国を裏から操る存在だと気づいていくのです。
かつて敵対したロイ・マスタング(イシュヴァール殲滅戦に関わった国家錬金術師の一人)や、エルリック兄弟らと、スカーは共通の敵に立ち向かうために手を結びます。憎しみだけでは何も生まれない——その境地に達したスカーは、復讐者から「国を救い、再建する者」へと変わっていきます。
そして物語の結末では、スカーはイシュヴァール復興と、異なる民族が共に生きる未来のために力を尽くす立場に身を置きます。名を持たなかった男が、ようやく自分の生きる意味を「破壊」ではなく「再建」に見出した——これがスカーの贖罪の到達点です。
スカーが体現する鋼の錬金術師BROTHERHOODのテーマ

スカーは、単なる強敵キャラや過去を持つ脇役にとどまりません。作品全体が描こうとした重いテーマを、もっとも色濃く背負った人物です。最後に、スカーを通して見えてくるBROTHERHOODの核心を整理しておきましょう。
「憎しみの連鎖」をどう断ち切るか
イシュヴァール殲滅戦は、差別と不信、そして一つの偶発的な事件をきっかけに、止められない虐殺へと発展していきました。スカーの復讐もまた、その連鎖の延長線上にあります。殺された者の遺族が、殺した者を憎み、また新たな血が流れる——この終わりのない循環こそ、BROTHERHOODが繰り返し問いかける主題です。
ウィンリィがスカーへの復讐を思いとどまった場面、そしてスカー自身がやがて復讐を超えていく姿は、いずれも「誰かが連鎖を断ち切らなければ未来はない」という作品のメッセージを体現しています。スカーは、その連鎖の中で最も深く傷つきながら、最終的に連鎖を断ち切る側へと回った人物なのです。
差別・戦争・信仰という現実的な重み
イシュヴァール人という設定は、肌の色や信仰の違いによる民族差別、そして国家による少数民族の弾圧という、極めて現実的なテーマを物語に持ち込みました。スカーの怒りは、単なる個人的な恨みではなく、奪われた民族全体の痛みを代弁するものです。
だからこそ、スカーが最終的に「復讐」ではなく「共に生きる未来」を選ぶことには、大きな意味があります。彼の選択は、差別や戦争の傷を抱えた者が、それでも他者と手を取り合えるのか——という普遍的な問いへの、一つの答えになっているのです。
スカーが象徴する作品テーマ
- 憎しみの連鎖:報復が報復を呼ぶ循環をどう断ち切るか
- 差別と弾圧:民族・信仰の違いがもたらす悲劇
- 罪と贖罪:取り返しのつかない過ちと、それでも前を向く生き方
- 破壊と再建:壊すことしかできなかった者が、創る側へ回る
スカーって、ただの強キャラじゃなくて、作品が伝えたいことを全部背負ってるんだね。だから敵として出てきたのに、こんなに忘れられないんだ。
そうなの。エドが「人間賛歌」を体現する主人公なら、スカーは「赦しと再生」を体現する存在。二人が同じ物語の中で交差するからこそ、BROTHERHOODはこれだけ深い作品になっているんだよ。
スカーの名言集

スカーは寡黙ながら、その短い言葉に重い信念と痛みを宿しています。彼の生き方が凝縮された名言を厳選して紹介します。
「これは神の鉄槌だ」— スカー
国家錬金術師を裁くスカーの行動原理を象徴する言葉。イシュヴァールの信仰に根ざし、同胞を虐殺した者への報復を「神の意志」として位置づけている。冷徹で揺るぎない序盤のスカーを端的に表す一方、後に「自分は本当に神の代行者なのか」という自問へとつながっていく重みのある一言。
「破壊なくして創造なし」— スカー(イシュヴァールの思想)
スカーの右腕=「破壊(分解)」と、兄が遺したもう一つの力=「再構築(創造)」の関係を貫くテーマ。破壊だけでは何も生まれないが、何かを作り直すには古いものを壊す必要もある。復讐者から再建する者へと変わっていくスカーの歩みそのものを言い表した言葉として、物語を象徴している。
「俺に名は無い」— スカー
本名を最後まで明かさないスカーの在り方を示す言葉。戦争で故郷も家族も奪われた彼にとって、個人の名は意味を失っていた。彼は「ひとりの人間」ではなく「奪われたイシュヴァール」を背負って生きている。だからこそ、終盤で国の未来のために生きる場所を見つける過程が、より一層の感動を生む。
その他の心に残るやり取り
- 恩人ロックベル夫妻を手にかけた罪を、ウィンリィの前で逃げずに認める姿——言葉以上に、その沈黙と覚悟が彼の贖罪の始まりを物語る
- 「憎しみの連鎖は、どこかで断ち切らねばならない」という趣旨の境地——復讐の虚しさを誰よりも知る者だからこその到達点
- マスタングらとの共闘を選ぶ決断——かつての敵と肩を並べてでも、国の未来を選ぶという成熟
スカー よくある質問(FAQ)
Q. スカーの本名は何ですか?
スカーの本名は、原作・BROTHERHOODアニメを通じて最後まで明かされません。「スカー」という呼称も、額の大きな傷跡(英語でscar=傷跡)に由来する通称にすぎず、彼の本当の名前ではありません。「俺に名は無い」という彼の言葉どおり、名を持たないこと自体が、戦争で多くを奪われた彼の境遇を象徴する重要な設定になっています。
Q. スカーの右腕の刺青はどんな力ですか?
スカーの右腕には「破壊(分解)」の力を持つ刺青が刻まれています。本来、錬金術は「理解→分解→再構築」の三段階で行われますが、スカーの右腕はこのうち「分解」までで止めるのが特徴です。再構築をしないため、触れた対象は内側から砕け散り、元に戻すことができません。岩や武器、オートメイルはもちろん、生身に触れれば致命傷を与える、極めて殺傷力の高い破壊術です。
Q. スカーの右腕はもともと誰のものですか?
スカーの右腕は、錬金術師だった彼の兄が研究していたものです。イシュヴァール殲滅戦で瀕死の重傷を負ったスカーに、兄が自らの腕を遺す形で受け継がれました。つまりこの力はスカー自身が編み出したものではなく、兄の研究の結晶です。兄は「分解」だけでなく「再構築」の研究も行っており、その二つの力の対比がスカーの物語を貫くテーマになっています。
Q. スカーはなぜ国家錬金術師を狙うのですか?
スカーはイシュヴァール殲滅戦の生き残りであり、その戦争で国家錬金術師が「人間兵器」として同胞を虐殺したことを、決して許せなかったためです。故郷も家族も兄も奪われた彼にとって、国家錬金術師は「同胞を虐殺した者」そのものでした。イシュヴァールの信仰に基づき、彼らを「神の鉄槌」によって裁く者として、スカーは復讐の道を歩むことになります。
Q. スカーとウィンリィの関係はどうなりますか?
スカーは、ウィンリィ・ロックベルの両親(敵味方なく治療していた医師夫妻)を自らの手で殺めてしまった過去を持ちます。皮肉にも、その夫妻は瀕死のスカー自身を救った恩人でもありました。物語中盤、真実を知ったウィンリィはスカーと対面しますが、彼女は復讐の引き金を引きませんでした。この「憎しみの連鎖を断ち切る」選択が、スカーが復讐者から贖罪へと向かう大きな転機となります。
Q. スカーは敵キャラのままで終わるのですか?
いいえ。スカーは物語終盤で大きく立ち位置を変えます。国家そのものを蝕む巨大な陰謀の存在が明らかになるにつれ、本当に倒すべき相手に気づいた彼は、かつて敵対したロイ・マスタングやエルリック兄弟らと共闘します。復讐者から「国を救い、再建する者」へと変化し、結末ではイシュヴァール復興と、異なる民族が共に生きる未来のために力を尽くす立場に身を置きます。
Q. スカーが活躍する鋼の錬金術師BROTHERHOODはどこで見られますか?
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まとめ:スカーはなぜ「忘れられない男」なのか
スカーについてこんなに知ると、最初は怖いだけだった彼が、こんなに深いキャラだったんだって驚かされるよね。もう一度BROTHERHOODを見返したくなってきた……。
ぜひ!背景を知ってからスカーの登場シーンを見返すと、彼の沈黙や表情の一つひとつに意味があることがわかるよ。とくに序盤の「復讐者スカー」と終盤の「再建する者スカー」を比べると、その変化に胸が熱くなるはず。
イシュヴァールの復讐者・スカーが「忘れられないキャラクター」として語り継がれる理由を、改めて整理しましょう。
スカーが心に残るキャラクターである理由
- 戦争・民族差別・信仰という重いテーマを一身に体現する深み
- 兄が遺した「破壊」の右腕と、その裏にある「再構築」という象徴性
- 恩人を手にかけた最大の罪と、それでも前を向く贖罪の物語
- 「憎しみの連鎖を断ち切る」という作品全体のメッセージの担い手
- 復讐者から「国を再建する者」へと至る、説得力ある変化
- 名を持たぬ男が、生きる意味を取り戻していく感動
『鋼の錬金術師BROTHERHOOD』は、スカーという「破壊」と「再建」のあいだで揺れる男の物語を通じて、憎しみの連鎖・赦し・贖罪という普遍的なテーマを描き切りました。彼の歩みを追うことは、この作品の核心に触れることに他なりません。
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